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 米IBMとジョージア工科大学は,絶対温度4.5K(華氏−451度,摂氏−268度)という極低温環境において,動作周波数500GHz以上でシリコン・ゲルマニウム(SiGe)半導体を動かすことに成功した。IBM社とジョージア工科大学が米国時間6月20日に明らかにしたもの。Siベースの半導体の動作速度としては,世界最高記録という。

 SiGe半導体は,現在広く使われているSi製半導体に比べ高速に動作し,消費電力が少ない。この種の高性能半導体にはIII-V族化合物半導体もあるが,「SiGe半導体が現行の低コストな製造プロセスで作れるのに対し,III-V族化合物半導体は製造コストが高い」(IBM社,ジョージア工科大学)。

 500GHz動作に成功したSiGe半導体の試作品は,IBM社が200mmウエーハ上で作製した。室温でも約350GHzで作動するという。IBM社とジョージア工科大学は試作品に適用したSiGe技術をシミュレーションし,「最終的には室温で動作周波数1テラHz(1000GHz)弱が実現可能」と見込んでいる。

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