米PricewaterhouseCoopers(PwC)は米国時間6月21日,世界のエンターテインメント/メディア市場の今後の展望について調査した結果を発表した。それによると,安定した成長期を迎えた同市場は2010年まで年平均6.6%で成長し,1兆8000億ドル規模に達する見通しだという。新たな配信チャネルとして確立したブロードバンドとモバイルが大きな収益を生むと見ている。
オンラインおよび無線チャネルを通じた全世界の売上高は,2005年の190億ドルから2010年には670億ドルに増加する見込みである。エンターテインメント/メディア市場では,あらゆるカテゴリにおいて物理的配信からデジタル配信へと移行しつつあり,企業が収益を得る機会が増している。ちなみにデジタル配信は,次の5つのカテゴリに大きく分けることができる:映画のオンライン・レンタルとデジタル・ストリーミング,音楽のデジタル・ダウンロード,オンラインおよび無線ビデオ・ゲーム,電子書籍,オンライン・カジノ。
同社によると,ブロードバンド・ユーザーの増加が同市場の成長をけん引する。世界でブロードバンド接続を利用する世帯数は2001年の3000万世帯から,2005年には1億8700万世帯へと急増した。2010年にはその数がさらに4億3300万世帯へと伸びる見通しである。携帯電話の利用者数も急成長を遂げており,2005年の18億人から2010年には28億人に増加するとみる。
広告分野は年平均6.2%で成長し,2005年の3850億ドル規模から2010年の5210億ドルへと拡大する。広告媒体としては,インターネットが年平均成長率18.1%で急伸し,2010年には520億ドル規模に達する。世界の広告市場でインターネットが占める割合も,2002年の3%未満から2010年の約10%へと,着実に存在感を増していく。
エンターテインメント/メディア市場を地域別にみると,米国が年平均5.6%で成長し,2010年には7260億ドルを創出する。規模としては最大だが,成長のペースは最も遅い。
EMEA(欧州,中東,アフリカ)は年平均6.1%で拡大し,2010年には5800億ドル規模に成長する。
アジア太平洋地域は年平均9.2%と最も早い速度で成長し,2010年には4250億ドル規模に達する見込み。同地域をけん引するのは,爆発的な成長を遂げる中国およびインドとなる。
中南米は年平均8.5%で成長し,2010年には600億ドル規模となる。カナダは年平均5.9%で成長し,2010年の市場規模は410億ドルの見通し。
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