「Windows Live Messenger」のリリースにこぎ着けたところで,米MicrosoftのWindows Live/MSN担当副社長であるMartin Taylor氏が突如として退社した。Taylor氏は,2006年3月にWindows Liveのマーケティング責任者となった人物で,Microsoftで13年間働いた。
不可解なことは,Taylor氏とMicrosoftのいずれも退社をきちんと説明していない点である。Microsoftのある関係者は「Martinと分かれるという困難な決定を下したが,個人的な事情にはコメントしない。われわれは,Martinが行った過去13年間の当社に対する貢献を感謝している」と述べた。これは,かつてソ連が他界したばかりの党指導者に向けて使ったのと同様の,別れに対する祝辞だ。Taylor氏の退職発表からは,様々な疑問がわき起こる。
Microsoftは先ごろ,チーフ・ソフトウエア・アーキテクトにRay Ozzie氏を任命した。Ozzie氏は2005年にWindows LiveとOffice Liveの両サービスの構築を推進しており,周囲を自分の「チーム」で囲むことを望んだのではないだろうか。非常に興味深いことに,Taylor氏はMicrosoft CEOのSteve Ballmer氏に極めて近い存在の部下であって,Ballmer氏とともに長期的な製品計画立案を何年にもわたって担当した。
さらに関連するニュースがある。「Xbox」チームのオリジナル・メンバーだった4人にその名を連ね,「Windows XP Media Center Edition」の共同制作者であったTed Hase氏もMicrosoftを去った。Hase氏は退社理由や退社後の計画を明らかにしておらず,ただ「変化のときが訪れた」とだけ述べた。Hase氏の勤続年数は16年間だった。