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 2008年に開催される北京オリンピックの会場と、中国国内にある100の大学のキャンパス内に、中国が独自に開発した無線LANのセキュリティ規格であるWAPI(Wireless LAN Authentication and Privacy Infrastructure)を利用した公衆無線LANスポットが構築される見通しだ。複数の中国メディアが報じている。

 WAPIはここ数年、同じく無線LANのセキュリティ規格であるIEEE802.11i(WPA2)と標準の座を争ってきたが、国際標準化機構(ISO)での会合でIEEE802.11iが標準規格として採用された。

 WAPIとIEEE802.11iに互換性がないのはもちろんのこと、WAPIの技術仕様は一般に公開されていない。一部中国メディアではIEEE802.11シリーズ自体とすら互換性がないと報じている(セキュリティ機能をオフにすればIEEE802.11互換という説もある)。現在、WAPIを搭載した無線LANアクセスポイントもクライアントも製品として発売されていないので確かめようのない話だが、仮に現行の無線LANと互換性がないとすれば、北京オリンピックを観戦する外国客、こと外国メディアにとっては、会場内で手持ちのノートPCの無線LANを使って通信できないという状況が発生する可能性が出てくる。

 過去に中国は、WAPI以外の無線LAN機器の導入を禁止する動きを見せたことがあった。このときは米国とすったもんだを演じたあげく、施行直前で御破算となった。今回報じられたように、北京オリンピックという国際的なイベントで国内独自規格を中心に据えた情報インフラが提供されるとすれば、他国からの反発を買うのは必至だ。

 なお現在、複数の通信キャリアが、中国の沿岸から内陸までの多くの都市で、IEEE802.11を利用した公衆無線LANサービスを展開している。またそれとは別に5つ星、4つ星クラスの高級ホテルもIEEE802.11を利用した独自の公衆無線LANサービスを展開している。