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 米Microsoftは8月2日(米国時間),Steven Sinofsky氏がWindowsおよびWindows Live技術部門を担当する新上級副社長に就任後初めての,Windows部門幹部社員の大がかりな配置転換を発表した。「Sinofsky氏は2006年3月に上級副社長に就いた後,肥大化したWindows部門のスリム化に取り組む」という見方が多かった。今回の異動は,スリム化に向けた取り組みにおいて,氷山の一角に過ぎないようだ。

 Windows部門を離れる人物のなかで一番の大物は,Brian Valentine氏である。彼の新たな仕事は発表には記載されておらず,Microsoftからの電子メールには「当社の別の領域に貢献してもらう」とあった。Valentine氏は,かつてスケジュールが遅れていた「Windows 2000」プロジェクトの指揮を執り,製品化まで導いたことで名声を射止めた。それ以来Valentine氏の役割はすっかり“儀式向け”となり,どのような貢献をしているのか外部の人間には分かりにくくなった。しかし,Microsoftの従業員たちが「Valentine氏の社内に対する影響力は,強力なまま弱まっていない」と著者に説明してくれた。Valentine氏には押し出しの強さがあることから,一般社員は彼が去るのを残念がるのではないだろうか。

 現在WindowsコアOS部門上級副社長という肩書きのValentine氏の後任は,技術エクセレンス担当上級副社長のJon DeVaan氏だ。両者はValentine氏が異動するまでのあいだ分担して業務をこなし,その後DeVaan氏は「主にWindows OS開発とクロス・プラットフォーム統合を担当するほか,Windows Vistaの直後にリリースする製品およびサービスについてSteven Sinofsky氏と密に連携する」(Microsoft)。

David Cutler氏がWindowsの開発担当を離れる

 旧Digital Equipment(DEC)の機知に富む技術者で「Windows NT」開発の直接的な責任者だったDavid Cutler氏は,Windows担当を外れ,Microsoftのチーフ・ソフトウエア・アーキテクトであるRay Ozzie氏と直接やり取りしながら「『Live』製品/サービスに注力した活動に取り組む」(Microsoft)。現在WindowsコアOS開発担当副社長を務めるAmitabh Srivastava氏は,Cutler氏とともにOzzie氏直属の部下となる。

 著者の見立てだと,8月第1週のこの動きはWindows部門の問題解決にほとんどつながらない。同部門では,つまらない小競り合いをする中間管理職や一般社員が増えており,何もスムーズに運ばなくなっている。まだSinofsky氏は,Windowsを本来の状況に戻すのに必要な改造を始めたばかりだろう。この先,さらに深くメスを入れるはずだ。