米Microsoftが,検索エンジンの精度を高める技術を米国時間8月7日に発表した。ユーザーによるクリックなど検索エンジンに対する操作パターンを解析することで,より高い精度の検索結果が得られるという。
既存の検索エンジンについて,Microsoftの研究部門Microsoft Researchテキスト・マイニング/検索/ナビゲーション・グループの研究者Eugene Agichtein氏は「ユーザーの問い合わせをWebページのコンテンツおよびリンク構造と比較して検索結果の一覧を出すという,2次元的な手法を採用している」と説明する。「我々は,検索の操作性を改善するために,ユーザー自身という第3の次元を追加する方法を調べている。大量のユーザーを対象にクリック操作や閲覧のパターンを調べることで,ユーザーが検索エンジンをどのように操作しているかや,検索精度を大幅に向上する方法を知ることができた」(同氏)。
Microsoftによると,検索エンジンに対する操作パターンを正確にモデル化して解析すると,各検索結果により適切な順位を付けられるという。さらに,同社は「クリック・スパム検出精度の向上や,各ユーザー向けWeb検索機能カスタム化の改善が可能となり,最終的にはWeb検索の全体的な操作性を高められる」としている。
研究の詳細については,ワシントン州シアトルで開催中(8月6日~11日)の米計算機学会(ACM)Special Interest Group on Information Retrieval(SIGIR)第29回年次会議で,論文「Learning User Interaction Models for Predicting Web Search Result Preferences」および「Improving Web Search Ranking by Incorporating User Behavior」(いずれもPDF形式)として発表した。
米メディア(internetnews.com)によると,この技術を使うことで検索結果の精度を31%向上できるという。
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