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32Gビットのフラッシュ・メモリーと,これを利用したメモリー・カード
32Gビットのフラッシュ・メモリーと,これを利用したメモリー・カード
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試作に成功したPRAM
試作に成功したPRAM
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 韓国のSamsung Electronicsは,記憶容量32GビットのNAND型フラッシュ・メモリーを開発した。同メモリーを利用すると,最大64Gバイトのメモリー・カードを実現できるという。また,相変化RAM(PRAM:Phase-change Random Access Memory)という新方式の不揮発性メモリーの試作成功も発表した。

 同フラッシュ・メモリーは,金属素材のタンタル(Ta),高誘電率(High-k)素材の酸化アルミニウム(AlO),窒化物(Nitride),酸化物(Oxide),シリコン(Si)を組み合わせたTANOS構造も採用した。Samsungによると,NAND型素子でHigh-k素材と金属層を組み合わせたのは,TANOS構造が初めてという。

 米メディア(InfoWorld)は,同フラッシュ・メモリーの量産開始時期を11月と報じている。

 またSamsungは同日,相変化RAM(PRAM:Phase-change Random Access Memory)という新方式の不揮発性メモリーの試作成功を発表した。記憶容量は512Mビットあり,「10年以内に高密度なNOR型フラッシュメモリーを置き換え,主流のメモリーになる」(Samsung)。

 PRAMは,データを電気として保存するのではなく,特殊な素材の状態をアモルファス状態から結晶状態に切り替えることによりデータを保存する新しい技術。電力を供給しなくても記憶した情報を保持できる。

 データを書き換える前にデータ消去の必要がないため動作は速く,Samsungでは「一般的なフラッシュ・メモリーに比べ実質30%高速」としている。寿命も10倍以上長いという。

 同PRAMには,垂直構造を持つダイオードと3次元構造トランジスタを適用し,小型化を図った。セル・サイズは0.0467平方μmで,NOR型フラッシュ・メモリーの半分。その結果,製造工程が20%減り,セル内で発生するノイズも小さくなる。

 Samsungは2008年にPRAMを利用可能にできると見込む。

[発表資料(概要)]
[発表資料(フラッシュ・メモリー)]
[発表資料(PRAM)]