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●写真1 デービッド・パルムッター上席副社長兼モビリティー事業本部長。写真中のマシンは1981年に発売された元祖モバイル・コンピュータの「オズボーン」。同氏によると「オズボーンを開発したアダム・オズボーン氏は『パーソナル・コンピュータはモバイルであるべきだ』と考えていた」

 米インテルのデービッド・パルムッター上席副社長兼モビリティー事業本部長(写真1)は米国時間9月27日,開催中の「Intel Developer Forum」で基調講演し,同社の次世代ノート・パソコン向け技術「Santa Rosa(開発コード名)」や「Ultra Mobile PC」(UMPC)について説明した。

 Santa Rosaは2007年前半に登場予定のモバイル・パソコン向けのプラットフォーム(写真2)。具体的には,(1)「Merom」と呼ばれる現行Core 2 Duoよりもエネルギー効率を高めた新型Core 2 Duo,(2)「Crestline」「ICH8M」といったグラフィックス統合型の新チップセット,(3)MIMO技術を利用し,最大速度が300Mビット/秒のIEEE 802.11n準拠無線LAN,(4)「Robson」と呼ばれるNAND型大容量フラッシュ・メモリーなどで構成する。オプションで,ノキアと共同開発したHSDPAによるデータ通信機能やWiMAXを搭載することも可能となる。


写真2●Santa Rosaの構成図

 Santa Rosaでは,ノート・パソコンのバッテリー駆動時間を長時間化するための技術が随所に投入されている。例えば,新チップセットではFSB(フロント・サイド・バス)の動作周波数を現行の677MHzから800MHzへ高めつつも「ダイナミックFSB周波数スイッチング」技術を採用。これはFSBの動作周波数をノート・パソコンの稼働状況に応じて変更することで,電力消費を抑えるものだ。

 HDDの大容量キャッシュ・メモリーとして使用されるRobsonも,消費電力の削減に貢献する。これはRobsonによってHDDの機械的な動作回数が減るからだ。加えて,Robsonにはアプリケーションの起動時間やハイバネーション(休止状態)からの回復時間を半分にできるという利点もある。

 パルムッター氏によると,ノート・パソコンでは「電力を1W削減できると稼働時間を25~30分長くできる」。Robsonは0.4Wの電力を削減できるとしている。

 Santa Rosaの次に説明されたのが,インテルが進める小型パソコン規格のUMPC。UMPCも2007年前半に出荷予定だ。壇上には米ヤフーでシニア・バイスプレジデントを努めるマルコ・ボエリーズ氏が登場,ヤフーのサービスとUMPCのデモを披露した(写真3~写真5)。デモはUMPCを操作するとユーザーの位置情報を取得し,その位置情報をヤフーの地図サービスに表示,さらに周囲のレストランなどの情報が地図にマッピングされるといったものだった。

写真3●ヤフーのサービスとUMPCの連携デモ

写真4●UMPCを操作するとユーザーの位置情報を取得し,その位置情報をヤフーの地図サービスに表示,さらに周囲のレストランなどの情報が地図にマッピングされる

 なお,基調講演後の質疑応答で,ある記者が「バッテリの長時間化に関して,マイクロソフトはあまり協力的ではないのではないか」と質問したのに対し,「会場にマイクロソフトの人がいるようなら,その人が答えた方がいい」と,パルムッター氏が明確な返答を避ける場面があった。

 また,燃料電池の可能性を問う質問には「希望を持っていた時期もあったが,意外と開発に時間がかかっている。2~3年後には希望が持てるかもしれないが,大きな流れになるかどうかは分からない」と返答した。

写真5●UMPCの試作機