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 Linuxの普及促進を目指す非営利団体Open Source Development Lab(OSDL)と,Linux向けデスクトップ環境KDEおよびGNOMEの相互接続性向上を目指すオープンソース・プロジェクトfreedesktop.orgは,KDEとGNOMEの両環境に対応する共通インタフェースの正式版「Portland 1.0」を公開した。両団体が米国時間10月11日に明らかにしたもの。Portland ProjectのWebサイトから無償でダウンロードできる。

 Portland Projectは,異なるデスクトップ環境や異なるディストリビューションのLinux間での相互接続性を改善するために,2005年12月に発足したオープンソース・プロジェクト。独立系ソフトウエア・ベンダー(ISV)が,さまざまなLinux製品にアプリケーションを移植する際の作業負荷を軽減することが目的という。

 具体的には,KDEおよびGNOME環境の間で移植性を向上するためのコマンド・ライン・ツール群「xdg-utils」と,「DAPI」と呼ばれるアプリケーション・プログラミング・インタフェース(API)群を提供する。これを利用すれば,両方の環境に対応した単一のソフトウエア・パッケージを開発できるようになるという。

 同プロジェクトでは,共通インタフェースであるPortlandのプレビュー版を2006年4月,ベータ版を2006年夏に公開した。最終版は,Linux標準規格「Linux Standard Base(LSB)」に搭載する予定。

 Linuxディストリビューション「Debian」「Fedora」「OpenSUSE」では既にPortlandが利用可能であり,中国のRed Flag Softwareや米Xandrosなどは,次版での対応を表明している。ノルウェーのTrolltechが提供するKDEアプリケーション・フレームワーク「Qt 4.2」は,Portland 1.0を使うことでGNOMEとの連携を可能としている。

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