米Microsoftは,仮想マシン用ファイル形式「Virtual Hard Disk」(VHD)の仕様を,技術開示宣言「Open Specification Promise」(OSP)に従ってライセンス・フリーで提供する。Microsoftがベルギーで現地時間10月17日に明らかにしたもの。
VHDは,Microsoftのパソコン向け仮想化ソフトウエア「Virtual PC」とサーバー向け仮想化ソフトウエア「Virtual Server」の両環境に対応する仮想マシン・ファイル形式。仮想マシンのOSとアプリケーションを,単一ファイルにまとめて管理できる。
Microsoftは,VHD仕様を2005年5月よりロイヤルティ・フリーで提供してきた。ただしライセンス・フリーではないため,製品などで利用するには商用ライセンスに合意する必要があった。これまで,60社以上のベンダーがライセンスを取得したという(関連記事:「仮想化フォーマット戦争」について知っておくべきこと)。
一方OSPは,Microsoftが9月に発表した技術開示に関する宣言(関連記事:Microsoft,「Webサービス実装に必要な特許は使っても提訴しない」と宣言)。35種類のWebサービス関連仕様について,「Microsoftが実装に必要な特許の権利を所有していても,その実装物の作成者や販売者を特許侵害で訴えない」(Microsoft)という。
VHDをOSPによる技術開示の対象とすることで,VHDを使って実現したソフトウエアやサービスは自由に作成/使用/販売/輸入/配布できるようになる。
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