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富士通経営執行役常務の近間輝美氏 |
富士通ブースのコンセプトは?
一言でいうと“ネット・トゥモロー”,つまり近未来のネットワーク像の展示です。現在,ネットワークには多種多様の情報が氾濫しています。我々はもっとユーザーに優しいインタフェースを提供しなければならない。ユーザーに優しいとは,(1)時間の節約,(2)安全と信頼性,(3)発展できる技術的な裏付け---を提供することだと考えています。
また,「人に優しく」ということで,富士通ブースは滝のように水が大量に流れているようにしました。展示会場の端のほうなので,ここでいったん休憩しながら,落ち着いて展示やデモを見て頂ければと思います。
“ネット・トゥモロー”をもう少し具体的に説明していただけますか
ITとネットワークが融合することで新たな価値を見出していく,ということです。その基礎となるのは,Webベースの基本アーキテクチャを構築することだと考えています。また,他社との差別化は1点あればいいと思います。差別化よりも,ユーザーが必要としているものを,必要な量だけ,適切なコストで素早く提供できるかが重要です。
例えば,企業ではシンクライアントがもてはやされていますが,エンド・ユーザーは受け入れにくいと思います。セキュリティ確保のためとはいえ,自由度が大幅に制限されるからです。それならば,いろいろとユーザーが自由にカスタマイズできるシンクライアントなんてものを提供すればいいんです。
そうしたことを実現していこうとすると,“one by one”つまり個別対応になる必要が出てきますが,その中からでも普遍性を見出して行かなければなりません。
次のITU TELECOM WORLDは3年後になりますが,そのころのネットワークと富士通はどうなっているでしょうか
NGNの姿がはっきりと見えているでしょうね。NGNを使ったサービスとはどんなものなのかというのは,これから模索していく段階ですが,2009年ごろには明確になっていると思います。そのころには,NGNを提供するキャリアが保持する個人情報の扱い方が大きな問題になっているかもしれません。顧客の単なる住所・氏名だけでなく,両禁止早い状況,GPSによる位置情報なども組み合わせることで,大きなビジネスが展開できるはずです。しかし,そうした情報は誰が入手でき,活用していいのかは決まっていないのです。
モバイル端末はもっともっと高速伝送を手に入れているでしょう。固定網については規制の問題がどう変わるかによって大きく違っていると思います。 一方,富士通はBRICs(ブラジル,ロシア,インド,中国)との関わり方などを模索していきます。そして現在は国内と海外の売上比率が50:50ですが,2009年には30:70で海外の売上比率を上げていく方針です。