米IBMは米国時間12月15日,仮想世界や3次元(3D)CGを活用した小売りのビジネス・モデル開発について,米大手家電販売店Circuit City Storesと協力することを発表した。仮想世界や3D環境を導入したマルチ・チャネル販売の実験を行う。
手始めに,両社はCircuit Cityの仮想店舗を開設した。仮想店舗では,実際の店舗やオンライン・ストア(circuitcity.com)で販売している製品を模して作られた3DCGの製品を取り扱う。
ちなみに,IBMは米Linden Labが提供するインターネット・サービス「Second Life」で事業拠点(島)を保有しているが,これまで一般ユーザーはアクセスできなかった。同社は12月18日の週に,これらの島を一般ユーザー向けに開放する予定で,Circuit Cityの仮想店舗開設は,こうしたIBMの仮想世界および3Dインターネット戦略の一環である。
IBMとCircuit Cityは,すでに仮想店舗を用いた多数の実験に着手しているという。例えば,Webサイトで商品カタログを閲覧する代わりに,アバターを使ってCircuit Cityの仮想店舗内を歩き回り,実際に買い物をするように製品を手にとって吟味する。そして,オンライン・ショッピングと同様に,製品を注文して自宅に配送する手続きをとる。
また,家電を購入する際に,ホーム・シアターを使って自宅環境を作り,部屋の広さに合ったテレビを選ぶといった実験も進める。アバターが室内のソファを動かして,新たに購入するテレビとの適切な距離に配置することができる。
カスタマ・サービスへの応用も研究する。ユーザーはカスタマ・センターに電話をかけて技術的質問をする代わりに仮想世界を訪問し,問い合わせたい製品を操作したり調べたりして,解決方法や使い方を理解することができる。
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