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 経営者ブログの難しいところは、内容や表現がお堅くなりやすいところです。一歩間違えば、営業会議や朝礼の訓示のような堅苦しいものになってしまいがちです。また、自社商品やサービスに対しての思い込みが強すぎて、露骨な営業ブログになってしまっても、読者は興ざめしてしまうことでしょう。

 かといって、今度は経営者が仕事以外の遊びの話をしはじめると、贅沢なグルメ話や、派手な有名人交友話になりがちです。これでは、ITベンチャー系社長などに良く見られる自慢ブログと同じに見られて、かえって反感を買いかねません。また無難に、最近感動した話題の本や映画の話だけではしていては、星の数ほどある個人ブログとの差別化が難しくなります。

 そこで、お堅いビジネステーマの骨子や品位を損なわずに、柔らかくて楽しい雰囲気にできないか、ひそかに悩んでおりました。なおかつ、経営者のライフスタイルやセンスを感じさせるような表現方法があれば言うことはありません。」

ブログにBGMを添えるアイディア

 その解決策の一つは音楽、BGM=バックグラウンドミュージックでしょう。ちょうどラジオの朗読番組でBGMが流れているようなイメージでしょうか。

 かつて、デジタルメディア研究所 所長の橘川 幸夫さんがメール日記の文中に「今日のBGMは○○○○です。」と1行添えていたことがありました。その1行を目にすると、まるで音楽が聞こえてくるようで、また文章がひき立つのです。

 もちろん、音楽がいきなり流れるわけではありません。もし流れたら仕事中など迷惑です。読者が、自分の記憶の中のジュークボックスから、その音楽を取り出してきて頭の中で鳴らすわけです。

 しかし、問題は、読者がその曲を知らない時です。頭の中には何も響きませんし、筆者がなぜこの曲を薦めようとしているかもわかりません。確かに、ネットで曲名を検索すれば、その曲の演奏者やファンのWebサイトが見つかるでしょう。またAmazonなどで、CDを購入することもできるでしょう。

 しかし、いくら信頼できる縁者のブログで薦められても聴いたことがないCDを購入するのは気が引けるはずです。また、シングルになっていない1曲だけ欲しい場合だってあるはずで、そんな時CDを1枚まるごと買うのも大変です。

 ですから、これまでは音楽の趣味も知識も似通った人通しでしか、「今日のBGM」をブログや心で共有するのは難しかったわけです。

iTunesのリンクをブログに添えれば読者が試聴可能に

 そんな矢先、リンクシェア・ジャパンの花崎社長から、アップルのiTunes Music Storeが、1曲単位の楽曲ダウンロードのアフィリエイトを始めたというお知らせメールが届きました。この新サービスを使えば、経営者ブログに「今日のBGM」として「あまり知られていない名曲」までも、さりげなく添えることができるでしょう。

 iTunes Music Storeのアフィリエイトをわかりやすく言うと、ブログに「推薦曲名」のリンクを添えるだけで、読者がその曲を試聴したり、ダウンロードしたりできる仕組みです。読者がブログ文中の曲名をクリックすると、自動的にiTunes Music Storeにつながってお目当ての曲リストが表示されます。

 そして、再生ボタンを押せば、無料で30秒試聴することができる上、気に入ったら1曲150円~200円程度でダウンロードできます。さらにアフィリエイト機能がありますので、読者が一曲ダウンロードするごとに、ブログを書いた当人におこづかい(売り上げの4%)が振り込まれることになります。

 読者にはiTunesのダウンロードとiTunes Music Storeへの登録が、経営者にはリンクシェアの登録が、それぞれ必要になりますので、まだまだハードルが低いとは言えません。もう一つ残念なことに、私が大好きな曲でも、まだリストにない曲が多いのも事実です。

 しかし、iPodが国内デジタルオーディオプレイヤー市場の約6割を独占する中で、iTunesをインストールしたパソコンが増え続けるのは間違いないでしょう。いずれ多くの人が、当り前にiTunes Music Storeを使うようになると思います。

経営者のBGMが企業のセンスを決める

 おそらく、経営者ブログ時代のCI=コーポレイト・アイデンティティは、PI=プレジデント・アイデンティティに大きく影響されるはずです。コンランショップのテレンス・コンラン卿までいかずとも、経営者自身のライフスタイルや審美眼を、企業の魅力に付加することが大切です。単に経営理念や戦略を説くだけでは、ソフト化経済においては企業価値を高めることができないのです。

 社長のライフスタイルや趣味を、誰にでもわかりやすく見せる方法の一つは愛聴する曲でしょう。ですから、いずれ多くの経営者ブログが「今日のBGM」を採用するかもしれません。そして、経営者間で「今日のBGM」のセンスが競われることになるでしょう。

 とはいえ、突然「私が好きな曲は....」と社長ブログで語り始めても、読者は戸惑ってしまうはずです。「今日のBGM」の曲名とアーティスト名だけを、冒頭か文末でさらっと書けば良いのです。これなら、見る人だけが見て、聴く人だけクリックするので、邪魔にはなりません。

 もし、その日のブログにふさわしい、あるいは予想を超えた「素敵な選曲」が添えられていたら、経営者を見る目が、また企業を見る目が変わるかもしれません。

 「この社長は、こんなオシャレな曲を聴いているんだ!」
 「この素敵な曲を、はじめて聴いた。教えてくれて感謝です」
 「毎日のブログと合わせて、選曲が楽しみになりました」

社内から「うちの会社らしい」BGMを募集

 問題は、企業イメージを高めるお洒落な選曲ができる経営者ばかりではないということです。お洒落なはずの企業のトップが、いきなり軍歌や演歌では興ざめでしょう。

 そんな時には、全社員にメールを出して、「うちの会社のイメージにあったお洒落な曲ベスト10をiTunes Music Storeから選ぶ」ように促せばいいのです。出題にあたって、もう一度企業理念などを確認すること....とすれば、まさにCI研修にもなります。

 その結果は全員に公開して、最優秀の選曲集には社長賞を差し上げても良いでしょう。きっと、音楽という身近さから、社内でも応募や審査で盛り上がり、お互いの趣味を褒めあう良いイベントになるはずです。

 こうして集まった社内人気曲、イメージソングの数々を、しっかり自分のパソコンに一覧整理してデータ保管しておけば良いでしょう。毎日のブログのテーマに合わせて、それらの中から1つずつ選んでいくのです。きっと、社長ブログに自分の曲が採用されたら、誇らしく思える社員や、社長をますます身近に思う社員が増えそうです。

社外のお手本に学んで音楽の趣味を拡大

 経営者ブログにBGMを添えることを決意したら、その日が「音楽探求の旅」スタートの日になるかもしれません。このiTunesアフィリエイトのおかげで、今後、私のベスト曲集をブログで発表する人が増え続けていくはずです。最後には、ブログのプロフィールに私の10曲などを添えるのが、当然の作法にさえなる可能性もあります。

 だとすれば、この人は面白い!素晴らしい!という人に出会ったら、まずは、その人物のブログと「私の10曲」をチェックしておいて損はないでしょう。優れた人物が惚れ込む優れた音楽に触れることで、新しい人生が開けることもあるはずです。

 また、この人はきっと選曲センスが良いという人に、ブログと選曲集を作っていただくのも良いでしょう。例えば、私がiTunesアフィリエイトの話を真っ先に伝えた人は、ティム・マクリーンさんと高岡よし子さんでした。エニアグラムやトランスパーソナル心理学に精通したお二人は、個人や組織の成長や癒しをテーマにした研修で活躍するコンサルタント・カウンセラーで、熱烈なアップルとiPodのユーザーでもあります。

 さっそく”ビートルズは音楽の「世界遺産」!”という、素晴らしいリストをブログにアップしてくださいました。お二人の記事のように、個人のブログに、著作権や肖像権を気にせずに、アーティストのジャケット写真を堂々と飾ってリンクするというのも、なかなか美しいと思いませんか?

 こうして、社員や達人たちの音楽リストに学びながら、最後には誰もがうなるような、そして会社のイメージが高まるような音楽選曲集を作るのが、経営者の新たな役割になるはずです。この一見面倒にも思える作業も、実は、経営者個人の楽しみを増やし、若返らせるきっかけになるはずです。

 リンクが許された社長ブログ社会貢献ブログでは、私もBGMリンクを用意することにいたしました。どんな選曲になっているかはお楽しみに。

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