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 長年のIT化で,業務の自動化・省力化はほとんど完成の域に達しつつあります。右肩上がりの高度成長時代は,戦後復興の意図もあり,規制,許認可,行政指導,ケイレツ・・・競争を排除した日本独特な官僚主導のシステムが功を奏し,横並びの護送船団でうまくやってこれたのです。差別化や競争力や戦略は,重要ではなかった。それゆえ,お客もIT産業には強い期待を持たなかった。強い現場のためのITで良かったのです。

 しかし,高度成長が終焉し成熟経済となった今,同じ産業でも企業ごとに勝組と負組が分かれてきました。その違いは,個別企業の競争力や戦略の差です。ITはその重要なツールです。結果として,先進ユーザーは情報システムへ高い期待を抱くようになりました。しかし,競争力向上など経営に寄与するようなITの要件定義の能力は,プライム・コントラクタでもまだまだ不十分です。

 要求定義やビジネスの上流領域を押さえられなければ,大手ベンダーといえども下請開発屋です。しかし,SEをコンサルタントに転換させるのは容易ではありません。そもそも,テクノロジに興味があるSEをコンサルタントに転換させて,経営戦略を担当させるのは現実的でしょうか?

 戦略を上流とし,構築を下流とすると,“経営や戦略”,“現場や業務”,それにITという3つ流れの合流点である「中流」の川幅が細く詰まっているのです。