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3GSM会場メインエントランス
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ACCESSブース
ACCESSブース
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会場内メインストリート(両側の建物全て展示会場)
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筆者が取材を受けたTelecomTVの放映(<a href="http://www.telecomtv.com/video.asp?ttv_id=648&url=video.asp?ttv_id=648&action=video&bit=hi&cp=view" target="_blank">実際の動画はこちら</a>)
筆者が取材を受けたTelecomTVの放映(<a href="http://www.telecomtv.com/video.asp?ttv_id=648&url=video.asp?ttv_id=648&action=video&bit=hi&cp=view" target="_blank">実際の動画はこちら</a>)
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 2月13日から16日にかけて,スペインのバルセロナで携帯電話のイベント「3GSM World Congress2006」が開催された(Tech-On!の3GSM特設サイト)。日本では一般での知名度はまだ低いが,第3世代携帯電話の主要なプレーヤーが一堂に会する,この業界では世界最大級の巨大なイベントである。前回の40%増となる約1000社が集い,世界各地から約5万人が会場に足を運んだようだ。

 ACCESSはこの3GSMで,昨年11月に買収した米PalmSourceとの初めての共同開発製品であるプラットフォーム「ACCESS Linux Platform」を発表した(関連記事)。Linuxへの関心が高まっていることもあり,記者会見には多くの欧米メディアが出席,世界中から新たなプラットフォームへの関心の高さと期待を感じることができた。ただし,現地ではプレスやパーティを除くと3日間で30時間しかなく,その間に35件の打ち合わせをこなすというハードスケジュールになってしまった。

 去年までは3GSMはフランスのカンヌで行われ,こぢんまりした印象だったが,今年はスペースもかなり広くなった。日本で言えば幕張メッセのような展示場で,さらに夜はライトアップされ趣があった。観光地でもあるバルセロナに,ワイヤレスの業界人が大挙して押し寄せてきたと言う感じで,夜はレストランはどこもいっぱい。タクシーも捕まりにくいという感じだったが,大きな混乱もなく,第1回目としてはまずは成功だったのではないだろうか。

 ただし,3GSMで感じた気がかりなことがある。日本の存在感(visibility)である。間違いなく世界をリードする携帯先進国の日本。それを支える日本企業が3GSMでは欧米企業に比べ元気がなく,ブースの出展規模も小さい。日本からの参加者もそれほど多くないように感じた。これは現在の日本でのケータイの発展ぶりからすると意外に思われるだろう。

 これに対し韓国Samsungの存在感は際立つ。空港を出ると,Samsungの大きな広告が目を引き、Samsung製ケータイのモニュメントが屹立していた。バルセロナの街じゅうにSamsungの広告が溢れ、Samsungの全面広告でデコレーションされた市内バスやデモカーが道路を頻繁に走っていた。おそらく今年の3GSMで最も広告費をかけたのがSamsungやMotorolaだろう。日本メーカーの存在感とは比較にならない。

 日本にいると,この状況は想像さえできないだろう。Samsungは日本ではほとんど広告を打たない。日本の電機メーカーはSamsungの電子部品を購入する顧客ということもあり,日本では機器メーカーとして控えめな態度を貫いている。しかし,3GSMは世界のワイヤレス業界の縮図といわれる。ここで見た状況こそ真の姿を物語っているといえる。

 ケータイを開発するためのハードルはこのところどんどん低くなっている。チップセット・メーカーは,すぐに完成品を開発できることを差別化ポイントにしようとしているからだ。そのため自社のチップセット上ですぐに動作するソフトウエアを揃えることに力を入れている。だからこそ,我々に多くのアプローチがあり,筆者が3GSMでミーティングに忙殺された1つの理由でもある。

 このことを象徴する,3GSMで大きな反響を呼んだニュースがあった。中国のHuaweiが向こう5年間Vodafoneグループに独占的に3Gケータイを供給するという発表だ。中国メーカーでも,チップセットを買ってくればVodafoneの品質基準を満たすケータイを生産できるようになったというわけだ。

 しかし,筆者はなお日本と世界のケータイには2年程度の時差があると考えている。かつてiモードが開始されたころ,日本は世界から2~3年先行していると感じていた。今も,それほど時差は縮まっていない。

 その違いは,顧客とアプリケーションにある。今年の3GSMで話題になっていたアプリケーションは,音楽ダウンロード,ビデオのダウンロード,フル・インターネット・アクセスだ。これらは,日本ではすでに当たり前となっている。

 日本で現在立ち上がろうとしているのは,ワンセグやおサイフケータイである。テクノロジは同時に供給可能だとしても,日本の消費者は世界の2年先を行っている。日本は,7年かけてこの高感度な顧客を育ててきた。勝負が上位レイヤーに移れば,日本企業にもアドバンテージはあるはずだ。世界で存在感が薄れつつある日本企業の明日に期待をかけたい。

 次回は,PalmSourceを買収したことで一夜にしてグループ従業員の3分の2が海外となってしまったACCESSが,国際分業の体制を作り上げるまでの苦労をお話したい。