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 皆さん,こんにちは。「XMLエバンジェリスト」として活動しています,岡部惠造です。「ITpro Watcher」の場を使って,「オープン・スタンダード」についてさまざまな内容をご紹介できればと考えています。

 皆さんが毎日ほとんど意識せずに使っているHTML、HTTP,XML等のインターネット標準。こうした標準はオープン・スタンダード(あるいはオープン標準)と呼ばれています。ところで,オープン・スタンダードとは何でしょうか? 少なくとも言えることは,インターネット時代を迎えて久しいいま,ビジネスの成否,企業の勝敗は,オープン・スタンダードを正しく使いこなせるどうかに大きく依存しているということです。

 オープン・スタンダードとは何か。どのように策定されているのか。また,それらを利用することでどんなビジネス上のメリットがあるのか。どんなスタンダードが誰によって開発されていて,どのように役に立っているのか。このような内容について,できるだけ多くの事例を挙げながら分かりやすく解説していこうと考えています。最終的にはタイトルにありますように,「オープン・スタンダードを巧みに使いこなせばビジネスに勝てる!」ということを書き切れれば本望です。どうぞよろしくお願いします。

 最初の数回は基礎編として,いわば「オープン・スタンダード概論」を書きます。少し“能書き”が多くなりますが,より多くの方々にオープン・スタンダードを理解していただくうえで,どうしても必要な内容です。どうかお付き合いを。

標準化により得られるメリットは大きい

 現実の世界で,私達が日々平和に,そして効率よく生活できるのは、世の中のさまざまな面で「標準化」が進んでいるからです。

 標準化のメリットを考えるうえで理解しやすいのは,社会基盤である電気,ガス,水道,道路,電気通信などの領域です。これらの領域では,多くのものが標準化されています。そして私たちは,標準化の恩恵を受けて快適に生活しているのです。

 自動車と道路を例に挙げると分かりやすいでしょう。道路交通法規が整備されており,かつ自動車の運転方法が標準化されているので,私たちはどのメーカーの自動車に乗っても,日本中を安全にドライブできるのです。そしてそれら標準に従わないと,時として事故に遭うわけです。

 インターネットのビジネス活用でも同じく,標準化がカギを握っています。

 インターネットをビジネスに活用する動きに拍車が掛かったのは,1990年代のはじめにWorld Wide Web(WWW)とHTMLが開発されてからです。これらの“道具”が1996年,世界中のIT技術者が参加した非営利会員制コンソーシアムであるW3C(WWWコンソーシアム)でオープン・スタンダードとして標準化されました。それら二つのオープン・スタンダードをITベンダー各社が製品に採用してから,怒濤の勢いでインターネットが世界中に広がっていったのです。二つのオープン・スタンダードがインターネットの普及に果たした役割は,もはや言わずもがな,でしょう。

 さらに1998年にはXMLが標準化されました。書式のみを扱うHTMLの限界を打破する汎用のデータ記述言語として業界に支持された結果です。その後,XMLを活用したアプリケーション連携方式「Webサービス」の標準化が始まりました。そしてWebサービスを活用した「SOA(サービス指向アーキテクチャ)」が誕生。今日みられる,インターネットの高度なビジネス活用に至っているわけです。

 インターネットをビジネスに活用して成功するには,こうしたオープン・スタンダードを効率よく,迅速に開発し活用する必要があります。

 次回も引き続き,オープン・スタンダードの基礎について解説します。IT分野におけるオープン・スタンダードの意味と威力についてその核心に触れますので,どうかお楽しみに。