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 標準化することの意味や意義は何でしょうか? 簡単に言うと,「ITベンダーはもう,その分野では競争しない」ということです。

 ITの世界では,競争することで技術革新を生み出せる分野が多くあります。しかしインターネットを活用する上で,基本的な部分でのITベンダー間の無用な競争は,システムの導入をより高価にし,構築に時間のかかるやっかいなものにしてしまいます。

 産業界での共通データ形式や共通通信規約も,標準化の効果が大きい分野です。こうした分野では,競争せずに共同して標準化することで,どのベンダーから購入した製品でも組み合わせて利用でき,安価にスピーディーに実ビジネスに即したより良いシステム構築ができるようになるわけです。

 インターネットの登場によって情報の流通速度やビジネスの進展速度がますます速くなっています。こうしたビジネスの進展速度に合わせて,短期間でのシステム構築や再構築が求められています。オープン・スタンダードの活用こそが,そのスピードを可能にするのです。いやむしろ,それが可能になるようにオープン・スタンダードの標準化が進んでいると言った方が良いでしょう。

 そういう意味では,オープン・スタンダードの最大の恩恵を受ける人々は,情報システムのユーザ企業です。従って,オープン・スタンダードはITベンダーだけではなく,ユーザ企業も一緒になって開発するのが望ましい形態です。標準化されても,ユーザに利用されなければ意味がないのです。ITベンダーのマーケティング資料だけに利用されるオープン・スタンダードであってはいけません。

 追って説明しますが,「W3C」と肩を並べるe-ビジネスの標準化団体である「OASIS」の会員の約半数は,ユーザ企業や政府機関。もちろん,オープン・スタンダードの利用者です。日本でも,オープン・スタンダードの開発により多くのユーザ企業の参加が望まれています。

 次回以降は,オープン・スタンダードとは何か、どうやって開発されるのか,どんな種類があるのかを順を追ってお話していきましょう。