モテ服、モテ髪、ちょいワルおやじ。イメージづくりは、まずマニュアルで勉強から。そのとおりに努力すれば、きっと全てはうまくいくはず---そう信じて今日もがんばっておられますか?資格取得などもそうやって成功してこられたとか?イキイキ☆キャリアの歩みに、必勝マニュアルはあるのでしょうか。
「これさえやれば、あなたも必ずイキイキ☆キャリア」という方法を、残念ながらここにパッとお示しすることはできません。がっかりさせてしまったとしたら、ごめんなさい。でも、キャリアってそういう類のことだと思うのです。ちょっと想像してみてください。(上司や著名人など)誰かから「私が教えるとおりに仕事生活を歩みなさい。そうすれば絶対に幸せになれるから」なんて力強く言われたとしたら・・・何となく不気味な感じがしませんか?
あるメーカーで基本ソフトウェアの開発をしてこられた方が、人事の仕事に替わられた当初、「標準化できないのか」「マニュアルはないのか」と質問しては笑われたという、ご本人によるエピソードに接したことがあります。一定のルールをもちながらも、社員一人ひとりの事情と密接に関係する人事の仕事は、だからこそ、標準化やマニュアル化のできないことが多いのでしょう。
私たちが自分のキャリアを考えるときも同様ではないでしょうか。これまでの経験や持ち味、得意なこと、大事にしたいこと、その時々の職場の要請、家族の状況など、一人ひとり個別の背景や事情だらけですものね。アプローチの仕方もいろいろでしょう。ですから、基礎を身につけるような時期は幾分似ているかもしれませんが、その次はこれを○年やって、その後は・・・などと定型のパターンには当てはまりようがありませんよね。「成功」や「幸せ」の姿もひとそれぞれですから、「勝ち組・負け組」という見方もおかしいように思います。
そういえば、「ITスキル標準」というのがありましたね!ITプロフェッショナルのそれぞれの職種に期待されること(知識・経験など)がレベル別に具体的に記載されています。職種を移りながら成長するキャリアの例や、研修ロードマップなども示されており、ITプロがキャリアについて考える際に、おおいに参考できそうです。
でもその「ITスキル標準」にも、「この職種はこういう持ち味や価値観のひとにピッタリ!」といった記述は今のところされていないようです。(スキル標準ですものね。例えば就職活動を始める学生さんの相談場面などでは、価値観や動機と職業とのマッチングは比較的よく試みられます。それほど単純なものでもないでしょうけど)また、「できること」と「したいこと」が同じとは限らないという視点も忘れてはいけませんよね。(「できること」と「したいこと」どちらを優先しますか?「すべきこと」もありますね)
一人ひとりに独特なキャリアの歩みは、決まった手順で同じ作業をするようにはいかないし、また、互換性を高めるために標準仕様とされる「部品」とも違います。そんなわけで、イキイキ☆キャリアのためには、これまで標準化やマニュアルに慣れ親しんでこられた方も、ここはひとつ、じっくりと自分や周囲をみつめる作業が要りそうです。
そのときに、いろいろなひとと話すとかアドバイスを求めることが有効でしょう(その材料のいつくかを、折をみてご紹介できればと思います)。でも1番大切なのは、自分で考えて自分で選びとることです。ここでのお話しも、いつでも誰にでもフィットするというものではないかもしれませんが、いつか何かの拍子にふとお考えになるきっかけのひとつにしていただけるなら嬉しく思います。
それでは、今日もイキイキ☆お元気に。