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 採用するソフトウエアやハードウエアは,オープンであることにこだわっています。東京カンテイでは,Perl,Apache,PostScriptフィルタGhorstScriptなどのオープンソース・ソフトウエアも利用しています。

 言うまでもないことですが,一つのベンダーが提供するツールに依存することはリスクがあります。ベンダーは利益が出なくなれば容赦なく製品を切り捨てます。突然最後通告され,ツールのサポートがなくなり,保守契約も打ち切られ,本来やりたくなかったアプリケーションの書き換えを強いられた…という経験があるのは私だけではないでしょう。

 オープンソースのよさは,なんといっても情報の多さです。ソフトウエアにもよりますが,インターネットを検索すればほとんどの問題は解決します。事例も豊富です。ベンダー1社が提供する情報とは,比較すらできないくらいの差があります。

 それと最新機能のインプリメントが早いこと。暗号化技術やXML関連機能など,PerlではCPANで提供されています。

 またソースコードがあることはとても重要です。最も安価にパフォーマンスを改善する方法はハードウエアを最新のものにすることですが,最新ハードウエアの恩恵を受けるためには,ベンダーが提供するバージョンアップに追随する必要があります。当社で使用していたHP-UXではPA-RISCからItanimuへとCPUが移行したとき,利用していたオープンソース・ソフトウエアをソースコードからコンパイルすることによって,それぞれに最適化されたバイナリを構築することができました。

 ツールのノウハウを得るには,それなりに使い続ける必要があり,それには,息の長いツールである必要があります。またそれに対する事例・情報が豊富にあり,最新機能などが迅速にインプリメントされる。そんなツールは現在,オープンシステムしか考えられません。

 しかし,オープンソースの場合,ベンダーに縛られない反面,多数の外部モジュールが様々な組み合わせで利用されることや,細かいバージョンに細分化された現状のオープンソースの利用状況では,ツールを提供する側がサポートを含めた保守に難色を示すことになります。ある意味当然でしょう。提供されたとしても制約があるはずです。

 しかし,メリットがあることははっきりしていたので「Perl利用に関する責任は当社が負います」と宣言して利用しました。現在でも情報サービスが事業の柱である当社「不動産情報サービス」を支える基盤ソフトウエアとして利用されています。

 ただし,オープンソースを利用するには,覚悟が必要になります。理由は前述したように,他のOSへの移行時や多種多様な外部のモジュール(CPANで提供される)を利用するためには,その作業を担う人が必要だからです。自分に扱えない技術で構築したものは,自分で責任をもてないシステムになります。愛着も持てないのではないでしょうか。

 Perlを5.005から現在の5.8まで利用し続けていますが,Perlは下位互換性を維持してきました。メディアではJavaやPHPが注目を浴びていますが,Perlは非常に安定したプラットフォームだと感じています。下位互換性に関してはOracleのSQLにも言えることですが,利用側からするととてもありがたいものです。それがあるのでダイナミックにソフトウエア群の一括移行などが実行できたといっても過言ではありません。

 オープンシステムは,その将来性も含めてユーザー責任だと感じています。最近では,オブジェクト指向での設計,開発ができるように内部体制を整えています。ソフトウエア開発環境を取り巻く時代の流れに対応ことは自社の将来のために必要だと思っています。この試みはまたの機会にお話したいと思います。