PR

 保険販売代理店向けなど金融関連システムをASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)で提供するペルテ(東京都中央区、石塚安弘社長)が06年10月期にも黒字転換できる見通しだ。ITシステムを使った分だけ支払ってもらうASPベンダーは国内外で業績を順調に伸ばしてきており、ペルテもその1社である。この4月から少額短期保険事業支援システムのASPサービスInfoOneも開始したところだ。

 ペルテは99年12月、日本ユニシスで銀行、保険、証券など金融SEだった石塚氏ら10人で設立したITサービス会社。当初から金融向け基幹系システムをWeb活用のASP方式で提供することを事業の柱とした。「独立しても、金融機関が相手にしてくれないことは分かっていた」(石塚氏)からだ。だが、「ASPは顧客を数多く獲得しないとビジネスにならない」(同)。

 そこで、着目したのが当時、全国に58万店あった損保代理店向けシステム。複数の保険会社の商品を扱う損保代理店へと変化する時期。その後、32万店に減ったものの、「そこを対象にすれば、かなり儲かる」(同)と考え、保険販売代理店向け顧客管理システムを商品化した。その後、銀行窓口での保険販売が一部認可されるなど保険販売代理店の業務システム利用のニーズの変化もあり、01年12月にNTTデータとライセンス契約を結ぶ、今はペルテが製造元、NTTデータが事業主として保険代理店システムWiseOffice(ASP)サービスを行っている。もちろんパッケージでの提供形態もある。

 03年2月には共済運営支援システムM-Aidを発売した。共済向けに保険の申し込みから契約計上、事故・満期、掛け金徴収、共済金支払いまでを処理するもので、約20社が利用している。さらに少額短期保険事者向けに参入した。ここにビジネス・チャンスがある、とペルテの石塚氏は大きな期待を寄せている。

 少額短期保険業者はこの4月に保険業法が改正され、創設された登録制の保険業者。不動産会社など特定者を対象とした無認可の共済団体は、2年以内に少額短期保険事業者あるいは保険会社に業態展開することになった。つまり、保険業になるために、支払いをきちんと処理しているかなどといったコンプライアンスの順守やそのシステム化を求められるわけだが、その投資は決して少なくない。だから、ペルテの石塚氏は約1000団体あると言われている無認可共済団体の中で、少額短期保険業者に転換するのは100団体程度あると推測している。その一方で、最低資本金1000万円程度とスタート資金が小さくて済むので、少額短期保険業に新たに参入する企業も出てくるだろう。これらを対象にASPサービスを売り込んでいく。

 なぜ、ペルテはASPを選択したのか。これまでも保険業向け基幹系システムはあったが、大手向けは50億円程度、外資系などが導入するものでも3億から10億円したという。そこまでIT投資をしたくない少額短期保険業者もあるだろうし、「不動産会社などは保険業を専門にしているわけではないので、業務を丸投げしたいと考えるところもある。そうなると、例えば、査定はA社に、申し込みは事務代行業者などに任せる」(石塚氏)。だが、こうしたデータを連携させたシステムを作り上げないと、事務コストは跳ね上がる可能性もある。一方、自前でシステムを構築すれば、運用費用などもかさむ。

 そこで、ペルテはASPなら代理店などが投資しやすい金額に設定できると判断した。ちなみに、InfoOneの月額基本利用料は契約件数3万件まで50万円(このほか初期費用などとして3000万円かかる)。導入済みの会計システムなどとの連携も請け負う。

 ペルテはこれまで10億円近くを開発投資などに振り向けてきた。05年8月に伊藤忠テクノロジーベンチャーズなどに第三者割り当てを実施し、資本金は3億3110万円になったが、さらなる増資を計画している。サービス・メニューを拡充させるとともに、黒字への転換を図るためだ。この10月期には売上高約7億円で、単年度黒字化の見込みだ。ASP事業は顧客数の拡大で損益分岐点を越えれば黒字基調に入れる。石塚氏は3年程度で累計損失を解消させたいとし、少額短期保険業向けASP事業に力を注ぐ考えだ。