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図1●「いつでもどこでも」へのテレビの進化
図1●「いつでもどこでも」へのテレビの進化
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写真1●ソニーのロケーションフリー・テレビ「LF-X5」
写真1●ソニーのロケーションフリー・テレビ「LF-X5」
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写真2●固定テレビ向けブラウザ
写真2●固定テレビ向けブラウザ
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 「今後のテレビの進化は『いつでもどこでも』」---3年ぐらい前から私のプレゼンテーションで使っているフレーズだ。(図1)いよいよ,それが現実のものとなってきた。

 前回ワンセグの話をしたが,ワンセグはテレビを「どこでも」視聴できるようにするサービスと言える。携帯電話にこのワンセグ機能が入ることにより,普及が一気に進むメリットと,通信と融合するメリットがある。

 もう1つの「どこでも」のアプローチとして,ソニーの「ロケーションフリー」のような,場所を選ばないテレビ視聴の方向がある。自宅のリビングのテレビやハードディスク・レコーダをインターネット経由で遠隔操作して,どこにいてもノートPCやPDA,携帯からテレビを視聴しようという訳だ。海外からでも,日本のテレビ番組が見られる(写真1関連記事)。

 さて,一方でテレビの「いつでも」の進化の方は,既にかなり進んでいる。ハードディスク・レコーダは,売れ筋商品で大容量化が進んでいる。ここで,面白いのは,昔のビデオレコーダとの使い方の違いだ。ビデオは,そもそも数時間しか録画できないので,最初に録画する番組(=後から見る番組)を慎重に選んでいた。ハードディスク・レコーダでは,後で見そうな番組を適当に選んで録画して,後から実際に録画したものを見るときに選ぶ。最近では,全チャンネル1週間分録画できるような製品も出てきている。まさに「後から見たいものを選ぶ」という使い方だ。

 前回,ブラウザは人間のアクティブなモードで使い,テレビはパッシブな状態で見るという話をしたが,この「選ぶ」という行為が,ユーザーがアクティブなモードに移るきっかけになるものと考えている。例えば,録画した番組の中から選ぶ際には,番組は既に放送されているので,その番組の世間での評判とか,視聴率とか,放送後に発生する後付け情報が欲しくなる。こうした情報をネットワークを通して取得できれば便利だ。ブラウザと非常に相性の良い機能である。

 ACCESSではケータイだけでなく,固定テレビ向けのBML(Broadcast Markup Language)ブラウザもテレビメーカーに提供している。テレビを見るというリラックスした状態のユーザーに情報を提供するプッシュ型ブラウザと,ユーザーがアクティブに情報を自ら取りに行くプル型ブラウザの連携を推進している(図2)。ハードディスク・レコーダがもたらすテレビの「いつでも」化が,その入り口になるのではないだろうか。