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 生物は生存と繁殖に本質的にかかわりがある情報を感受し,これを短時間に処理し適切な行動や反応に結び付けた個体,種が生き延びる,というのが進化論の一面である。企業,そして人間でも,群という社会的な面においても類似のことが考えられる。

 また,人間の情報処理には3つがあるともいわれている。1つは情報を生み出すこと。文を書たり感情を表現すること。2つ目は他のグループや人に伝えること。3つ目は情報の意味を理解すること。このうち,情報を生み出すことすなわち創造が最高位の活動ではないだろうか。

 情報は目から入るものを中心に,時間や場所そして状況を変え膨大な量にのぼる。そのごく一部が脳の中に,形ある情報として記憶される。しかしその情報もその存在すら多くは意識から失われ,意識下にあっても必要な時に想起できないのが現実であるが,ある触媒的な刺激やプロセスにより脳の中でその組合せと連合がさかんに行われそして新しい意味付けをされ構造化された時それはひらめきとなりアイディアとなって形を表す。

 この現象とそのプロセスの能動的な始動を,私は「情報融合」と名付けた。

 情報融合のポイントの一つは,核融合と同じで,物理的に狭いところに材料を押し込む,情報を圧縮することである。濃縮するともいえる。

 この情報融合のテクニックというのは既に無意識のうちに使われている。例えばクリエイディブな仕事をする人は大きな机を使っている。よく会社で,会議資料などは壁に張る。一覧性である。そうしてやらないと情報融合できない。また,情報を1枚にまとめるということを必ず無意識にやっている。

 統計という手法も古典的ではあるが情報が圧縮され融合されるといえる。一つ一つの現象をいくら深く観察しても見えないものが統計という世界で長期間広範囲のデータを一つにぐっと集約することによりその個体でなく群の特性が出てくる。

 人が気付いていない新しい知見を統計手法で,自分で切り出すことが重要なポイントであり,独自の分析が大切である。ごく一般的な事象でもその分析者が情報を独自の視点と情報融合させた場合驚くべき知見が得られる。

 「多くの情報を取り入れる事」そして「知的刺激を与える場,人,物に多く接すること」が知的な仕事をする上に重要である。材料としての情報がないと融合もできない。

 現在ではすべての人は情報洪水の中に生きている。ただ,その溢れんばかりの情報を有効に活用するには,頭の中に収納する枠組を用意する必要がある。すなわち自分自身の興味と必要な情報を強く認識していることが重要だ。

 脳の中にテーマを付けたファイル・フォルダーを用意しておくと,日常活動のなかで得られる価値ある情報がたまる。