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 前回はロゴマークのお話をしましたが,なぜ,クオリティの高いロゴマークが必要かというと,何度もあちこちに露出する頻度が高く,サイトの「顔」になるものなので,良いデザインであれば,見る者の潜在意識に良いイメージを染み込ませることができる,ということがその理由でした。

 では,なぜ良いイメージを持ってもらうことが必要なのか?——それは,好きになっていただくためです。それはなぜか?——儲けるためにほかなりません。人は,理屈ではなく,イメージによって行動すると言ってもいいでしょう。儲けるための仕組みが,いわゆる「マーケティング」というやつです。使ってみなければ,その商品やサービスがいいか悪いかはわからないので,まず良さそうに見せかけて,「なかなか,よさそうね」と思ってもらう。そのための技術の一つが,デザインです。

 仕事はミスなくきっちりこなすけれど,言葉使いが悪かったり身なりが不潔であれば,同じ能力で身なりや態度がスマートな人のほうに仕事が集まるのと同じです。こういう書き方をすると,「それじゃあ,見てくれを良くして,消費者をだまそうとしているのか?」と思われる方もいらっしゃいますが,それは誤解です。

気に入ってもらうためのブランド経験

 多くの消費者は,デザインだけ良くてもサービスや品質が悪ければ,その会社には見向きもしなくなります。人も同じですよね。たとえ美男,美女でも,性悪だったり,アホがバレてしまうと人気がガタ落ちなのと同じです。企業もまた然り。どんなに能力(品質)が高くても,どんなに身なり(デザイン)が優れていても,従業員の態度やサポート体制が悪かったりしては,やはり好きになってもらえません。

 このような社員や店員さんの態度までも含んだ,消費者に接するすべてのコミュニケーション要素を「ブランド経験」と言います。そして,優れたブランドを構築するには,たいへんな時間と,コストとシステムが必要とされるのです。大きな企業は,このことをしっかり認識し,ブランド構築にコストと時間をかけています。しかし中小の企業は,まだあまり真剣に考えているところが少ないような気がします。

今や企業サイトのWebデザインは経営の大切な要素

 ブランド経験のなかでも重要な役割を担うのがホームページです。顧客とのコミュニケーション手段としては,低コストで,迅速な対応ができる媒体です。ビジュアルによるイメージ戦略,情報の多様性や速報性,サポートなどのインタラクティブ性など,様々なメリットと可能性を持っているので,Webのデザインは企業経営にとってかなり大切な要素となるのです。

 コンテンツの質が高いことは当然として,情報のわかりやすさ,企業の個性やユニークさ,操作のわかりやすさや,機敏な反応,エラーの少なさ,フォローの仕方,親切な案内,快い色彩計画,ビジュアルイメージなど,考慮すべきことはたくさんあります。中小の企業は,マス媒体(一般紙の新聞広告やCMなど)でのコミュニケーション活動はコストの余裕がありませんし,する必要もないと思いますが,Webに関しては,同じような品質の競合他社との競争に勝つためにデザインにも力を入れるべきなのです。


まだまだ大企業でも,しょぼいWebを見かけます。
企業の規模ではなく,経営者や担当の意識の問題なのでしょう。