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第四回北東アジアOSS推進フォーラムの表彰式
第四回北東アジアOSS推進フォーラムの表彰式
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ワーキンググループ2(人材育成)の会議
ワーキンググループ2(人材育成)の会議
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 前回に引き続き,中国天津市で行われた「第四回北東アジアOSS推進フォーラム」をレポートします。今回は,日本OSS推進フォーラム 人材育成部会長と北東アジアOSSフォーラム ワーキンググループ2(WG2)コンタクトパーソンを務めております日本IBMの中原道紀が,13日に行われたWG2会議の模様をご報告します。

 会議は,(1)各国の活動内容の紹介,(2)今年度の活動内容に関する議論,そして(3)各国コンテスト受賞者からのプレゼンテーション/交流の3部構成で行われました。

1番目の議題に関して,OSSコンテスト以外の各国の活動として紹介されたのは,

中国:OSSに関する,8つの教育コースと12の教材評価に関して
韓国:OSS教育コースに関するサーベイについて
日本:OSS人材に関する調査レポートのフィードバック

 でした。

 興味深かったのは,韓国と日本は「教育機関は産業界が求めるIT人材を育てるためにOSSを活用すべきで,いかに産学の人材像のギャップを埋めるかが重要」と主張したのに対し,中国においてはダイレクトに「OSSに特化した教育を実施することにフォーカスしている」という点でした。中国ではOSSに対する旺盛な需要が産業界にあり,それに応えることが緊急の課題になっているようです。

 OSSコンテストの実施方法も違いがあります。中国では約70の大学と30近くの研究機関から合計で300人を超えるOSSエンジニアが参加し,コンテスト・タイプで実施されました。

 これに対し韓国では,77のプロポーザルを受け付け,その中から選考を行いました。日本のOSS貢献者賞もこれに近いスタイルの選抜方法が採用され,実施されています。

 日本のOSS貢献者賞選考の特徴としては,影響力のある開発プロジェクトを創造しただけではなく,それをグローバルに拡げていく運営や,OSSコミュニティへの貢献をあわせて評価した点があげられると思います。他の2カ国の受賞者の年齢層と比べ,日本の受賞者の方々の年齢層が高かったのは,この選考基準が影響したようです。

 2番目の議題である今年度の活動に関しては,議長声明に盛り込まれたように「OSSの開発者や利用者を育成するために,技能や知識の相互試験や認定を行う。カリキュラムや教材の開発といった議題を議論するために,昨年からの活動の延長として2つのタスクフォースを設立する」ことに合意しました。今回は,充分にタスクフォースの詳細な活動内容まで議論できず,近々開催予定のWG2のミーティングにおいて話し合われる予定となっています。

 3番目の各国コンテスト受賞者からのプレゼンテーション/交流については,タイトなスケジュールのため,特に交流の部分に関しては充分に行うことはできませんでした。しかし,会議後の夕食会や会議の休憩を機会に活発に交流が行われたようです。

 今回よりWG2のコンタクトパーソンとして参加させていただきましたが,会議では通訳が入るためことのほか時間がかかり,充分に議論を尽くせなかったこととが残念でした。

 しかし,引き続き日本OSS推進フォーラムの人材育成部会の活動が北東アジアのWG2の活動にリンクできるよう努力していきたいと考えています。

 私個人としては,2004年3月にアジアのLinuxビジネス担当から離れて以来,久々に訪れた中国でした。2年の間に大きく変貌した街の表情に驚くとともに,多くの中国の友人に再会できた2日間となりました。

(日本IBM 先進システム事業部 Linux&OSS事業開発部長 中原道紀)