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 そのシステムは何事もなく順調に動いているように見えます。しかし,それはもしかして,たまたま実現されている危うい安定稼動ではないでしょうか。

 システムにも成長期,停滞期,衰退期があります。最初は,利用数も少なくひっそり生まれたシステムの中で,ユーザーのニーズにマッチしたものが生まれ,その利用率は,日々確実に伸び,なくてはならないシステムに進化します。

 最初はダウンしても何も言われなかったシステムが,なくてはならないシステムになった時。同時にデータやアクセスの増加によって,システムの負荷は高まり,往々にして障害が発生しやすい状況にもなります。そしてダウンすると,システムが欠かせなくなった顧客から,クレームの嵐に見舞われます。

 原因のひとつは,サービス・レベルが明確に定義されていないことです。汎用機からのダウンサイジングであればかなり意識されているのかもしれませんが,小さなオープンシステムによって生まれたサービスの多くは,サービスレベルに関する明確な指針がありません。どの程度のサービスレベルを実現するためにどのようなシステム構成にするべきか,暗中模索することがほとんどです。

自分の貢献をアピールしましょう

 もう一つの原因は,それまでの安定稼動が,実は担当技術者の属人的な努力によって支えられていたというケースです。

 人間が肉体で作業するのであれば,2倍,3倍の労力がいかに大変なものか誰でもわかります。ITのような人間の脳による作業は,仮に属人的な仕事であれ,実際に通常の何倍の労力を担っているが判断ができません。

 一般に属人的なシステムは,その工数を軽視しているがゆえに移行ができません。担当者が去り,あるいは倒れ,修正や移行が必要になったときに初めてその大切さに気がつきます。それでは遅いのです。

 システムを支えている技術者の方は,活躍しているときにアピールしましょう。自らがいなくなったシステムにおいてトラブルが起きてから,「自分の大切さがわかったか!」ではなくて,存在するときから認めさせましょう。それが会社のためでもあります。担当者がいなくなった時に備え対策を講じることができるからです。

 私が経験した限りでは,優秀な方に限って奥ゆかしい方が多いようです。「こんかこと誰でもできるよ・・」といってアピールしないのです。アメリカ人を見習ってください。とんでもないくらいアピールします。私も外資系企業に勤めたときにカルチャーショックを受けました。

 すぐには変わらないかもしれません。でも何もしなければ永遠になにも変わりません。自らのためにも,会社のためにも,残される社員のためにも,次世代をつなぐ若い技術者のためにも,自らの貢献をアピールしましょう。