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 ビジネスモデルはビジネスの設計図である。そして企業はこのビジネスモデルに基づいて経営されるべきである。

 企業活動、すなわち事業は評価モデルに基づいて評価される。伝統的には財務モデルで行われる、損益計算書と貸借対照表である。

 企業評価は工学のような抽象化手法がいまだ確定していない。評価基準も収斂・安定していない。株主の利益を重視する立場、従業員の利益を重視する立場、社会への貢献を重視する立場そして、その組み合わせ方である。ここでは企業価値基準としておく。

 ビジネスモデルの設計は企業のあるべき状態を実現する行動の組み合わせ方、実行プロセスからなる戦略オプションの選択であり、戦略を遂行するための、組織、製品・サービス、生産、市場アクセスなどの定義である。ビジネスモデルは戦略の構造化である。そしてそれに基づいた企業活動プロセスにより製品・サービスが市場に提供される。そして市場の評価が行われる。

ビジネスモデルの位置づけ

 また、現在の段階ではビジネスモデルを表記する方法を確立出来ていない。IT経営学では基本的には情報モデルという視点での表記がビジネスモデルとなる。なぜならばビジネスモデルはITシステムとして実装されなければならないからである。また、原論の部分で述べたが、企業とは情報の収集と分析、編集を独自の視点で行うものであるからでもある。

 この情報モデルとしてのビジネスモデルの使い方であるが、まず現在のビジネスプロセスの可視化になり、現状の認識が明確になる。目に見えないビジネスプロセスの可視化、これは非常に効果がある。可視化によって関係者の認識が共通化されば問題点の把握が確実になる。

 これまでの研究で、多くの経営者や経営企画のスタッフは自社のビジネスプロセスを必ずしも正確に理解しているものではないことが分かった。したがってビジネスプロセスの可視化はそれだけで有効であった。

 その可視化されたビジネスプロセスの上で、戦略議論を展開することによって、戦略の策定が容易になる。そしてその戦略は実装されなければならないが、その実装のツールとしてビジネスモデルは極めて有効である。すなわちビジネスプロセスの改革はビジネスプロセスの表記モデルの変更として議論できる。

 そしてその結果は情報システムの基本仕様や、組織変更、そして業務プロセスの改善と改革につながる。むろん戦略の論議やビジネスプロセスの改善にはさまざまな視点からの検討が必要であり、いろいろなビジネスプロセスの表記が併用されることになる。

 次に、企業価値の評価に展開できる。企業価値は大きく2つに分かれる。有形資産と無形資産である。有形資産は会計学的な手法で評価できる。無形資産は評価方法が難しい。現在これに関しても研究中あるが、この中で最も難しい部分が「知識を金に変えるプロセス」である。すなわち組織に蓄えられたノウハウや個人のスキル、そして知識がプロセスを通じて製品サービスに価値を付加する。そのプロセスをモデル化することでその価値を数値化する。