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 「エリア(商圏内)攻略支援システムで、ゲーム専門店の売り上げ増を図る」。ITサービス会社のクインランドは傘下のゲーム専門店を展開するNESTAGE(ネステージ、ジャスダックに公開)を支援する仕組みを作り上げたという。

 IT技術をコアとするクインランドは飲食、住宅、娯楽、教育、自動車の5つの家庭消費に関連する事業会社を傘下に持ち、これらグループ会社にIT技術を駆使して販売面で支援する事業を展開している。06年6月期の売り上げは987億円、営業利益22億円を見込んでいる。娯楽部門に所属するネステージは直営とフランチャイズの合計約600店のゲーム専門店を抱えているが、数年前からゲーム(ソフトとハード)市場が縮小傾向にあるのが大きな課題になっていた。「95年から2000年にかけて拡大し、ピーク時に8000億円近い市場規模に達した。しかし、今は半分の4000億円に縮んだ」(ネステージの毛塚敏郎会長)。

 そうした中で、家電量販店や書店などもゲーム・ソフトやハードを扱い始めてきた。インターネットを活用したeコマースでソフトやハードを購入できるようにもなってきた。ゲーム専門店を取り巻く環境は厳しさを増し、専門店は約5000店から約1500店に激減したという。そこに任天堂やソニー・コンピュータエンタテインメントが年末に新製品を投入してくる。マイクロソフトの製品を含めて市場拡大は期待できるが、問題は他の販売チャネルに奪われる可能性があること。さらに不安を拡大させるのは、新製品がインターネット経由でソフトをダウンロードする仕組みを持っている点だ。関連情報もインターネットで流すそうだ。

 「となれば、顧客とメーカーがダイレクトにつながり、小売店の介在が薄くなってしまう」(ネステージの習田一成取締役)。「流通に2割、3割のマージンを渡すのはもったいないという声も出てくる」(毛塚氏)。専門店の危機感は募る一方だが、店の体質転換はなかなかできない。だが、クラインランドは顧客を数多く抱えている企業を買収し、ITで販売促進を支援する手法を展開してきた。06年2月、買収した明響社とアクトを合併させたネステージに、これまで培ってきたITを活用したマーケティングのノウハウを生かすというわけだ。

購入者の意思決定に関与する情報提供がカギ

 96年5月に設立したクインランドは、インターネットを活用して顧客を集客し販売につなげる方法を確立させている。具体的には、ホームページのアクセス数をいかに増やすか、という観点からのシステム作りだ。消費者が商品を購入する際の意思決定に深く関わる(1)専門家の意見、(2)商品を先行購入したユーザーの声、(3)発売元のメーカーの声、の3つの情報をホームページ上に集める仕掛けである。独自の検索エンジンや営業支援システムなどを駆使して実現させている。

 元々、中古自動車の販売事業に使ったこの手法を、今回ゲーム専門店に導入することにした。1店当たり3万世帯をターゲットにし平均5000人の顧客を持ち、店長をはじめ専門家も配置している。昨年10月に立ち上げたゲームのポータルサイトGlepの会員は4万人以上、月間ページビューは約250万に達する。こうした環境を生かし、ネットから入ってくる顧客を、それぞれの店舗につなげる仕組みを構築する。それぞれの地域の競合店や売れ行きなどのマーケティング情報を店に伝える。eコマース経由の購入者があれば、その顧客のいる地域の店に売り上げを計上するようにした。そんな新しいビジネスモデルを作り上げる。

 「なんだ。普通のIT部門やITサービス会社が行っていることと変わらない」と思う方もいるだろう。だが、グループ会社を含めてシステム作りを担当する技術者約60人(派遣の常駐を含めると約120人)は、マーケティング力を備えたIT支援部隊なのだ。ここが他社のIT部門やITサービス会社と大きく異なる点。顧客の要望に基づいてシステム化した後、目標に掲げた売り上げや利益などを達成できなったら、顧客と一緒になって、どこに原因があるのか徹底的に調べ、解決策を練る。作りぱっなしではなく、成果を出すまでの責任を一緒に負うのだ。

 クインランドの吉村一哉社長は「リアル(店)はなくならない。ゲームファンに販売するには専門知識も必要になる。1店当たり2~3人の専門家がいるので、合計2000人の専門家がいることになる」と語る。店長などにブログを立ち上げてもらい、「こんなソフトが今、売れている」「このソフトが安くなっている」といった様々な情報を流す。ポータルサイトに質問があれば、店がすぐに答える。こうして地域のファン作りをしていけば、来店者は増える。「店をベースにリアルとバーチャルを組み合わせて、地域密着ができれば、例えば年間に1個か2個しか売れないグッズやキャラクタ、書籍を含めて取り込んでいける」。吉村社長は自信を深める。