サッカー・ワールドカップの真っ最中に、友人が転勤でドイツへ赴任することになりました。「本当に仕事?」「なんでこの時期に?」「実はサッカー観戦じゃないの?」など言いながら、仲間が集まって壮行会をしました。今日は、パーソナルなある日の出来事をお話しします。
多様なひと・仕事
「サッカーはさておき、ドイツで何するの?」
「日系企業の欧州での広告と販売促進のサポートをする予定」という友人は、広告代理店に勤務しています。いろんな会社でいろんな仕事をしている仲間たちとの会話が続きます。
「欧州ブランドを扱ってるけど、化粧品で日焼け止めが売れるのはアジアだけ。価値観や文化の違いかな」(化粧品会社)。「日焼け止めに使われる成分は、アジア向けにしか売れないけど、原産地の中国への出張は増えてるよ」(化学メーカー)。「中国にも1泊2日で行けるようになったから、慌しいけど助かるね」(ノートPC用電池の開発メーカー)。
「取扱商品の関係で、プレゼンでは化粧もきちんとするけど、実は関心があるのは90インチのテレビ」(消費財メーカー)。「プラズマディスプレイの青色には、ちょっとうるさいよ」(LED開発メーカー)。「彼女の家は大型テレビもOKの優良物件だよ。今は不動産の買い時」(不動産会社)。
「家より先に、結婚する彼女がほしいなぁ。職場に素敵な女性が大勢いるんだけど」(通信販売会社)。「職場で結婚の相談をされることが増えて、年齢や立場を実感するよ」(鉄鋼メーカー)。「僕は周りが管理職だらけで、しかも合併したから、考え方がバラバラでやりにくくて」(製薬会社)。「うちも業務提携で上司が外国人になったので価値観も違うし、英語での資料作成が大変」(金融会社)。
「転職したてで価値観も違うけど、みんなすごく仕事が速くてびっくり」(IT系コンサルティング会社)。「薬の開発にPMBOKを使いたいんだけど、IT系でヒントない?」(別の製薬会社)。「来月ドイツで会議があるから、現地で一緒に食事しよう」(IT企業)
「ドイツを訪ねたら案内してね~!」(全員)。翌朝ドイツへ旅立つ主賓を囲んで、話は夜遅くまで続きました。
いろんな仕事からのいろんな視点
いろんな場所や業界でいろんな仕事をしながら、普段は忙しいけど何かあると集まってワイワイ&喧々諤々盛り上がる、かけがえのない大切な仲間です。この日は来られなかった多くの仲間も同様です。うれしいことを共有したり、困っていることを相談したり、たくさんのエネルギーが行き交うことによって、新たなエネルギーが生まれます。
仕事をはじめ自分としては悩んでいることも、他の人からみれば普通のことだったり、既に解決策を実施していたり、そんなことは問題ではないのではという視点があったりして、いつも多くの気づきやアイディアをいただきます。また、逆の場合にも、「そういうことがあるのか」とたくさんのことを学びます。この日も、いろいろなことを教えられたり考えたりしました。
間接的であることの良さ
IT業界でなくても、或いは、例えばわたくしの専門である人材マネジメントに直接関わることでなくても、否だからこそ、発想の転換や素があり、自分が身をおいている世界や自分自身を外から眺める視点をもつことができます。ITプロのあなたにとっても、同じIT業界内でも他の企業のひとや、ときには全く異なる業界で仕事をしているひとと話をするのは、日々の仕事をするうえでも、キャリアを考えるうえでも、とても意義深いことと思います。
「他社事例」といえば、そのまますぐに使える情報だけを捉えたり、「異業種交流」などというと、交換した名刺の数に満足するような方もいらっしゃるかもしれませんね。でも、わたくしの感覚では、今すぐそのまま使える情報でなくても、「へぇ、そうなんだ」という驚きや気づきが自分の中に蓄積し、いつか活きてくるようなものや、名刺の社名や肩書きでなく、そのひと自身の生き様にまで関わるような働き方や思いに触れさせていただくことこそが、大切でありがたいと感じています。
利害を伴わない仲間
利害関係がなく心から信頼できる仲間が、職場以外にもいると最高ですね。学生時代の仲間や地域や趣味の集まりなどもそうかもしれませんね(壮行会は学校の仲間でした)。忙しい毎日とは存じますが、そういうつながりを大切になさることも、元気よくキャリアを歩みつづけるうえで、とても助けになると思われます。
それでは、今日もイキイキ☆お元気に。