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ずいぶん間が空いてしまったが、ご容赦願いたい。
「執行役員」といえば聞こえはいいが管理職の兼務を3つも持つ、社員数、数十名の志高き零細企業に属する身で第一四半期の締めだったのだ・・・そんな弱音のひとつも吐かせていただけないか、ご朋輩。日経ソリューションビジネス誌の連載も終わったし、ね。

さてさて、このテーマの最終話を書こうとしたのだが、いただいたコメントに考えさせられた。
正直、結論としては「経営が悪い」と書くつもりだったが

コメント1
「経営が悪い以外になんかあるのか?」
いや、そのとおりっ。なんてベタな話はちょっとおいといて。

コメント2
「今日も現場じゃだれかがうまくやってるんだよどの誰かってのは偶発的な存在で期待しちゃいけない」
むむ、これは。言われて見れば確かにそうだ。しかし予想もしないコメントだった。

コメント3
「コメ1さん、経営なんて現場じゃ、たいしたことできないんだ。コメ2のうまくやれる人を育てるのが経営ってもんだと思うよ」
うーん。なるほど。

このコメント3は秀逸というか。考えさせられた。
本当のこと言うと、コメント1のスジで「経営がアホだ、ちゃんとしないといけない」って書くつもりだったんだけど、「ちゃんとしなきゃってなんだよ、油野さん」って先回りされたうえに「ちゃんとするってのはSEと営業のギャップを埋めるチカラのある人を育てることなんだ」って結論まで導かれてしまった。

筆者カタナシだがこれもWeb2.0的な結論の出方だと思う。では、今回はこれにて( ´ー`)ノシ

・・・とまあ、こういう結論の出し方は、日経BP的には(っていうかWeb1.0な人からは)多分、職場放棄とか無責任とか(笑)、そういうレベルの非難を受けそうなので、もうちょっと書いてみるけど、コメント3の人の意見と合致してるかどうかはわかんない。ところで、せーめーて! コメントにはハンドルくらい書けるようにしてほしいぞ、日経ITpro1.0様。僕はコメント3の方と意見の交換がしたいのですが、できないのが「ブログ風」エッセイの悲しいところだ。

さて、本題に戻る。
そういう人~SEと営業の立場を理解しブリッジとなる人~を育てるにはどうするのか? 僕はその具体策について書いてみる。

基本はコミュニケーション能力だと思います、そのコミュニケーション能力とは・・・なんてPMPのお勉強みたいな話を私のブログに期待してる向きはないよね、へっへっへ。ベースはさておき、僕は体験させることだと思う。お互いの立場を、ね。

まずSEの営業体験。

以前いた会社では新人を預かって教育を頼まれたとき営業候補もSE候補も全員つっこんでセミナー開催と集客をやらせた。4週間、DM、Web一切なし。完全に電話、案内状手持ち、訪問して勧誘。梅雨から真夏の時期にやらせる。いかに一つひとつの引き合いが大事か、営業がどんな思いで引き合いを探してるかを肌でわからせる。

そうすれば人手不足だからって黙って高い見積もりを書いて、わざと失注するようなSEにはならない。そして、これは営業候補にとってもマーケの苦労や広告宣伝のカネのかけかたの「メートル原器」になったりする貴重な体験になる。是非みなさんにもお試しいただきたいけど、経験上かなりの「困難」があるので、企画したい方はインフォテリアに相談に来てくださいw

そして営業のSE体験。

これって、だれでも新入社員研修でプログラム組むじゃないですか、なんてトンチンカンなこと言っちゃだめ。ここで言ってるのはプロマネレベルの体験。でもそんなの営業マンに練習でやらせるわけにはいきません。そこで僕は新人の部下に自分が受注した案件のプロマネのかばん持ちをさせていた。毎回打ち合わせに同行して議事録を書く。これをカットオーバーまでやる。そう2本目、3本目くらいまでかな。

これでプロマネにガンガン指導してもらう。そうするとそのプロマネの仕事のポイントがわかる、いわゆる言語レベルが合致してくる、そうすると、プロマネ側からの視点が育成できる。そうすると次に、教えを受けたプロマネが弟子を育成するときのアドバイザーにもなれるってわけ。

そう、一見するとどちらも相当、無駄なことです。
SE候補が案内状持って飛び込み営業に近いことまでする。
売り出し中の営業の稼働時間を議事録作成にあてる。
この私のやってきたことがベスト、とは思いません。
本当に泥臭いところです。泥だらけになります。
しかし、こういうことを無駄と思わない経営が必要なのではないでしょうか。

さて、前回のエントリで「80年代におきた不幸なできごと」について触れました。
空前の活況を呈する昨今のソフト業界で同じことが起きないといえるでしょうか?
あなたの会社で、あの時の悲劇を繰り返さないためにも、こういうトライを提案してみてはいかがでしょうか。