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 前回は、答えが見つからなかった西島が恩師の小西教授に助けを求めたところまでを説明しました。小西教授は西島に簡単には答えを与えようとせず、西島に考えさせることを要求したのです。

 自分で考えることを強いられた西島。では、彼はこの局面でどのように行動したかを見ていきましょう。

【登場人物】

西島・・・主人公。システム部の中堅社員。名古屋から志願して東京に異動し、営業部門との調整を担当する。学生時代に小西教授から「目的達成型コミュニケーション術」の指導を受ける。
富山・・・システム課長。西島の上司
矢野・・・営業企画課長。営業や企画に強い優秀人材。高い交渉力をもつ。
小西教授・・・西東京大学教授(マネジメント論)西島の恩師。「目的達成型コミュニケーション術」の提唱者。企業で豊富な実務を経験したあと、独自の人間行動学・マネジメント論を確立。東京郊外の大きな山荘に住み、講義や執筆活動を行う。

学生時代のダンボール

 西島は、小西教授との電話を終えた後、学生時代に小西教授から学んだ「目的達成型コミュニケーション術」について思い出していました。卒業して15年以上経過した今では、当時学んだことを全て覚えていることはありえないことでした。

 そこで、西島は自宅のマンションの一室に置いている古いダンボール箱に向かいました。この中には、大学時代のゼミで使ったテキストやノートが保存されていました。

 西島は卒業しても小西教授に数年に一回のペースで会い、自分に起こる問題の解決方法を相談していました。しかし、今回のように人間関係の複雑な問題はありませんでした。

 今回小西教授は「目的達成型コミュニケーション術で解決しなさい」と言いましたが、卒業以来、西島が小西教授からこのようにアドバイスされたことはありませんでした。それだけ、今回の問題が複雑で面倒であるということでしょう。

 小西教授は、自身が大学教授に転職する前、一般企業でプロジェクトマネジメントやITプランニングをしていました。企業にいたときの小西は「人の行動をコントロールするためのコミュニケーションテクニック」を使って問題解決をしていました。

 そして、小西はそれらの経験を体系化し、「目的達成型コミュニケーション」としてマネジメント論として広く社会に発表し、大学に転職しました。そのメソッドを汎用的に編集したものを学生に教えていました。

 当時、西島は学生だったので、学生同士のコミュニケーションでは多くのケースを学びましたが、大学卒業後はこのようなコミュニケーションメソッドを意識したことはありませんでした。

 会社に入ると、西島は数年に一回のペースで壁に突き当たり、その都度悩みながら最後には小西教授に相談をしていました。でも、今までの相談は西島個人の能力やモラール、モチベーションに関するもので、「他人の行動をコントロールする」ような複雑で気を使うものはなかったのです。

 西島は今回の問題は本当に難しいと思っていました。だから、小西教授に相談したのです。でも、小西教授は何か、禅問答のような話をしただけで、答えを教えてはくれなかったのです。

目的達成型コミュニケーション

 西島は、困りはてました。しかし、これ以上悩んでもしょうがないので大学時代のテキストやノートを引っ張りだして何かヒントを見つけようとし、昔のテキストやノートを何気なく読み始めました。

 最初は簡単に目を通すつもりでした。しかし、読んでいるうちに小西教授の提唱する「目的達成型コミュニケーション」という概念が、組織や人の問題で悩む今の自分にとって非常に大きな影響を与えるものであることに気づきました。

 学生時代には気づかなかったことが、社会人16年目の課長クラスである今なら分かりました。西島は、なぜ、小西教授が自分に「目的達成型コミュニケーション」を使って解決することを強要したかがおぼろげながら分かってきたのです。

 西島は寝る間を惜しみ、営業企画課長の矢野にどう対応するかを考えました。一晩徹夜して考えたのです。そして、西島に一つの考えが浮かびました。「これは面白い」。西島の頬に笑みが浮かびました。

 西島は何を思いついたのでしょう。そしてどのように行動するのでしょうか。次回に続きます。

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