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 「中国のITサービス産業は、トップ企業でも売上高300億円台の規模」----。日経ソリューションビジネス7月15日号の特集『ソリューションプロバイダ業績ランキング』のインタビューで、SJホールディングスの李堅社長がそんな発言をしていた。だから、中国市場でITサービスのトップ企業を狙うという。なるほど、今なら誰でも“中国のNTTデータ”になるチャンスがあるということか。

 李社長は中国人だが、SJホールディングス自体はジャスダックに上場する日本企業。中核事業会社のサンライズ・ジャパンの売上拡大に加え、アルファテック・ソリューションズなどを相次いで買収するなど、積極的なM&Aで急成長を遂げている。それでも売上高は236億円の中堅ITサービス会社に過ぎない。日本市場で、これから大手に伍していくことなど、夢のまた夢だ。

 従って、李社長に率いられるSJが成長の土俵として中国市場に目をつけるのは、ある意味必然である。2007年度の中国市場での売上目標が150億円というから、ITサービス業トップを狙うというのも、あながち非現実な話ではない。李社長は母国でトップ企業をつくるという“夢”を描けるし、日本の投資家も退屈な産業セクターであるITサービス業にあって急成長という“夢”を買えるわけだ。

 ちなみに、日本のITサービス会社で売上高300億円台というと、日本システムディベロップメント(390億円)、アイネス(380億円)、SRA(341億円)、日本システムウエア(308億円)など“知っている人なら知っている”企業が並ぶ。このクラスの企業が、中国ではトップ企業だ。ITサービス黎明期の中国企業と日本企業の売上高を単純に比較しても意味がないことは分かっていても、SJだけでなく日本の多くのITサービス会社にも中国市場でナンバーワンになるチャンスがあるな、と夢想してしまう。

 もちろん、そうは問屋が卸さないだろう。だがSJ以外にも、大きなフロンティアである中国に打って出て、ITサービス市場をリードしようという企業が出てこないものだろうか。なんなら、売上高300億円の中国企業と資本提携、あるいは買収してもよい。先行きがあまり明るくない日本市場向けに中国をオフショア拠点として活用するばかりでなく、そろそろ中国市場の開拓を真剣に考えてもよいはずだ。

日本のITサービス会社は、世界最先端の製造業などの顧客から業務ノウハウを学び、 “課題先進国ニッポン”向けのソリューションを提供してきた。そうした業務ノウハウやソリューションをうまく展開すれば、世界への道が開けるかもしれないと思うのだが。