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ブログがジャーナリズムを変える

著者:湯川鶴章
出版社:NTT出版
価格:1785円(税込)
ISBN:4-7571-0194-5

 共著の前作「ネットは新聞を殺すのか(NTT出版 2003年)」「ブログジャーナリズム(野良舎 2005年)」に続く,待望の新著作です。湯川さんは在米時代,ヤフーの創業者とも親しくされ,新興ネット企業の勃興を目の当たりにされました。そして,帰国後は時事通信社の編集委員として勢力的に取材を続ける一方,自ら,ブログやポッドキャスティングを通じた新しいジャーナリズムを模索されています。

 多くのビジネスパーソンは,ブログには興味があっても,ジャーナリズムには無関心かもしれません。しかし,表題のジャーナリズムをマーケティングに置き換え「ブログがマーケティングを変える」と直せば,そのまま企業経営にも使える本なのです。

 例えば,この本の240ページで,米国のブログブームの火付け役の一人,デイブ・ワイナーさんが「もし私が新聞社の経営者だったら何をするか」という問いに明確な回答を行っています。

「まず記者全員にブログを開設するように命じます。それから読者にもブログを開設するように勧めます。エディタのブログ上で面白いニュースへリンクを張らせるようにします。記者の情報,読者の情報は問いません。重要な方,面白い方の情報にリンクを張るわけです。読者と同じ程度の情報量や分析さえ持たない記者のブログにはリンクが張られなくなる。その記者は廃業です。読者が集めてこられない情報,オリジナルな視点,解説を提供できる記者だけが生き残れるのです。これが読者を巻き込んだ新しいジャーナリズムの形です」

 このコメント中にある「記者」を「営業/販売スタッフ」に置き換え,同じように「読者→お客様」「エディター→マーケター」「ジャーナリズム→マーケティング」に置き換えていけば,そのままブログ時代の参加型マーケティングの実像が浮かび上がるのです。どんな企業も自らのメディアを持てる,持たなければお客様の信任を得られなくなる時代が,すぐ目の前に迫っています。だからこそ,経営幹部から現場スタッフまで「一般教養」として読んでいただきたいのです。うかうかしていると,営業部長,店長,マーケターのポジションを,カリスマブロガーやアフィリエイターに奪われてしまうかもしれません。

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