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インターネットは「僕ら」を幸せにしたか? -情報化がもたらした「リスクヘッジ社会」の行方

著者:森健
出版社:アスペクト
価格:1680円(税込み)
ISBN:4-7572-1170-8

 インターネット上ではさまざまな情報が収集されている。誰がいつどのWebサイトにアクセスしたかを記録するのは当然だし、電子メールの送受信記録もある。個人を特定する情報は含まれないのが普通だが、複数のサーバーの情報を統合すれば「特定の誰か」を追跡することは難しくない。

 もちろん、こうした記録には便利な面もある。特に犯罪捜査の際には決定的な証拠となる。自分の身の潔白を証明するため、そして犯罪者を捕らえ、犯罪を抑止するには、こうした監視技術を積極的に受け入れる人も多いだろう。その結果、何が起きるか。望まれてビッグブラザーがやってくるかもしれない。

 本書には、こうしたさまざまな問題点を集めた長編ノンフィクションである。著者の森氏はどちらかというとITを活用している部類に入るだろう。それだけに「ではどうすればいいか」ということは提示していない。

 しかし「便利だからいいじゃないか」と思考を止めてはいけないと思う。新しい技術には常に暗黒面がある。ダイナマイトは大規模工事には不可欠だが戦争にも使われる。携帯電話に付いた小型カメラはコミュニケーションの道具として楽しい反面、盗撮にも使われる。

 新しい技術に関わる人は、常に、世界中の人が幸せになるためにはどういう使い方をすれば良いかを考えていて欲しいものである。「Web進化論」とあわせて読むことをおすすめする。

【訂正】
掲載当初,著者が藤末健三となっておりましたがこれは編集部による誤りで,正しくは森健です。著者ならびに読者の皆様にご迷惑をおかけいたしましたことをお詫びいたします。

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