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 キャリアとは‘仕事生活の道程と意味づけ’であり、働く生活全般における経験の積み重ねを本人がどのように意味づけ、価値を見出すかが大切だといっていますが(関連記事へLINK)、「自分にとって何が大事か、自分でもわからなくて困っている」という声を耳にします。夏休み中の方もおられるでしょうから、今日は、それらを考えるのに役立つツールをご紹介します。

ご自身で、パートナーと。

 企業でもキャリア研修が行われることが多くなりました。ひと昔まえに一部で見られた、年配社員に進路選択を迫ることを主目的にしたようなものではなく、30歳前後から節目に提供される、自分らしくイキイキと仕事を続けることを目的にした前向きなものが多くなっています。それらに参加された方は、自分が大切にしている価値について、じっくりと考えられたことがおありかと存じます。

 そのような機会がこれまでなかった方にも、ご自身で取り組んでいただけるようなツール・書籍のいくつかをご紹介いたします。様々なエクササイズやチェックリストがありますので、自問自答しながら、また解説を自分自身の実例にしっかり引き寄せて読むことによって、自分は何を大切にしているのかを探索していくことになります。あなたのことをよく知っている信頼できるパートナーと一緒になさるのが効果的です。

キャリア・アンカー

 キャリア研修などに参加された方は、「キャリア・アンカー」という言葉に接したことがおありかと存じます。どうしても犠牲にできない本来の自分を象徴するような、能力・欲求・価値についての自分イメージであり、どのような組織でどのような仕事をしていても、そのひとの拠り所となるものとされています。専門・職能別コンピタンス、全般管理コンピタンスなど8つのカテゴリーがあります。

 『キャリア・アンカー ~自分のほんとうの価値を発見しよう~』エドガーH.シャイン(白桃書房)という書籍によってこのツールを用いることができます。「自分はなにが得意か」「本当のところなにをしたいのか」「なにをしているときに意味や価値を感じられるか」の3つのテーマについて、質問票とインタビューを通じて深めていきます。ここでのインタビューは、あなたと長年のつきあいのある親友や恋人、配偶者となさるのが良さそうです。

キャリア・サバイバル

 「キャリア・アンカー」が自分の内なる声を知るものであるとすると、外からの声を確かめる手段として「キャリア・サバイバル」があります。刻々と変化する環境のなかで、顧客、取引先、上司や部下、同僚などの仕事上の関係者、家族、友人、地域コミュニティのひとなどあなたを取り巻く様々な関係者があなたに期待することを知り、期待される役割や職務をうまく遂行するために必要となる技能、態度、価値観などについて考えるものです。このツールは『キャリア・サバイバル~職務と役割の戦略的プランニング~』エドガーH.シャイン(白桃書房)によって提供されており、こちらは職場の仲間をパートナーとされるといいかもしれません。

キャリア・デザイン・ガイド

 周囲に合わせるばかりでは自分らしさを発揮できませんし、自分の希望を押し通すだけでは周囲とうまくやっていかれませんので、「キャリア・アンカー」と「キャリア・サバイバル」はペアになっています。その2つを総括するガイドブックとして『キャリア・デザイン・ガイド~自分のキャリアをうまく振り返り展望するために~』金井壽宏(白桃書房)があります。なぜ「キャリア・アンカー」と「キャリア・サバイバル」の両方の視点が必要なのか、うまく活用するにはどうすればよいかとともに、キャリアの捉え方やキャリア・サクセスの基準などについて、日本語版への訳者であり、マサチューセッツ工科大学でツール開発者のエドガーH.シャインさんから薫陶を受けられた金井壽宏さんによって示されています。これら3つのセットが、第一のおすすめです。

人生に必要な荷物いらない荷物

 自分らしさや自分の強みを充分に生かしていないのではないか、精いっぱい生きていないのではないか、自分の人生は意味のないものではないか、・・・。「若い」といわれる時期を過ぎる頃にふと、或いは、ひしひしと感じる不安。そのようなときには、『人生に必要な荷物いらない荷物』ディック.J.ライダー&デイブ.A.サピーロ(サンマーク出版)を手にとってみられるといいと思います。

 「なぜ、この仕事をしているのか」「なぜ、この人間関係にかかわりをもっているのか」「なぜ、ここに住んでいるのか」「なぜ、これが自分の目的だと思っているのか」。このような事柄をさらにブレイクダウンしていくエクササイズやチェックリストが順を追って示されており、自分にとって大事なことと大事でないことを見極める、自分の才能を再発見する、そして、自分にとって大切なことに時間とエネルギーを使う、といったことが目指されています。

フラワー・エクササイズ

 『キャリア・アンカー』や『人生に必要な荷物いらない荷物』に比べると、全般に職探しのような色合いが濃いかもしれませんが、10数か国語に訳され広く知られているものとして、『あなたのパラシュートは何色?』リチャード.N.ボウルズ(翔泳社)があります。このなかにある「フラワー・エクササイズ」では、あなたの好きなスキル、好きな土地、1番興味のあること、一緒にいたいひと、価値観と目標、望ましい労働環境、責任と報酬のレベルなどを考えていき、それらの全体で自分を見つめ直すようになっています。

 また、この書籍にはいつくかのweb診断なども紹介されていますが、注意事項として、診断にはひとを分類するような面があるが一人ひとりがユニークな個人であることを忘れないこと、他人に無理強いしてはいけないことなどが記されています。どのようなツールの使用においても留意されなければならないことだと、わたくしも考えます。

じっくり自分と向き合うこと

 もうひとつ。自分の関心、強み、モティベーション、成長への課題などを知るのに役立つものとしてMBTI(Myers-Briggs Type Indicator)があります。これは資格をもつ専門家でないと実施できないのですが、アメリカでは年間200万人、欧州や中国、韓国など各国で、もちろん日本の企業研修などでも使用されている信頼性の高いツールで、キャリアに限らずマネジメントやコミュニケーションにも、とても有効ですので、機会があれば受けてみられることをおすすめします。

 ツールの使用に関わらず、「何が大切なのか自分でもわからない」という方には、休暇などで時間と気持ちにゆとりのあるときにでも、自分自身とじっくり向き合ってみられるのは、いい仕事生活のために必要なことと思われます。

 それでは、今日もイキイキ☆お元気に。