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 インプレスのWebサイト「PC Watch」内のコラム「山田祥平のRe:config.sys」8月11日号で,アップルの最近のコピーが紹介されている。良くできているので紹介したい。“Redmond has a cat, too. A copycat.”(レドモンドもネコがいる。「コピーキャット」というネコが)。

 レドモンドはシアトル近郊の都市で,マイクロソフト本社の所在地である。ネコは,Macintosh OSの開発コード名だ。最近のMacOSにはパンサー,タイガー,レオパードなど,ネコ科動物の名前が付いている。そして,copycatは「真似っ子」あるいは「模倣犯」だ。オリジナリティを尊ぶ文化圏ではかなり軽蔑的な言葉ではないかと想像する。

 もっとも,ここで紹介したいのは単にコピーの面白さだけであって,真偽ではない。実際,8月11日のITproには「Appleの次期OS「Leopard」は期待外れ?今年の開発者会議はサプライズなし」という記事が掲載された。さらに,記事内の小見出しとして「Microsoftの3年前の技術」ともあった。ある一面では,真似をしているのはアップルの方だという見方もできるだろう。

 Windows 95登場当初は,もっと面白い言葉を聞いた。出所不明なので,初出を知っている方がいらっしゃったら教えてほしい。

Windowsとかけてロッテリアと解く。そのこころは『マックを目指すが追い付けない』

 こちらも真偽はどうでもいいことであるが,一応ロッテリアを弁護しておこう。エビバーガーを始めたのは,マクドナルドよりもはるかに昔の1977年だし(参考サイト),リブサンドは今でもマクドナルドにはない味だ。決して負けてはいない。

 実際の話,OSとしてのWindowsとMacintoshはお互いに影響しながら成長している。GUIをOSに統合したことでは,もちろんMacintoshが先だし,アプリケーション切り替えに関してもMacintoshが先行した。しかし,動的メモリー管理ではWindows 3.1の方が優れていたし,マルチタスクについてもWindows NTが優位だった。ただし,GUIやOS組み込みのアプリケーションについては,Macintoshに一日の長があるように思う。このように,どちらが優れているとは単純には言えない。

 けれども,一方的に決めつけて相手を非難するのは,部外者としては面白いのでどんどんやってほしいと思う。Macintosh上のオフィス・アプリケーションは,Microsoft Officeのシェアが一番高いとか,そもそもExcelはアップルに依頼されてマイクロソフトが作ったものだとか,そういう事実はどうでもいいことである。

 最近,こういう面白い対立構図が減ってきたのは残念である。2004年4月には,サン・マイクロシステムズのスコット・マクネリーとマイクロソフトのスティーブ・バルマーが和解してしまった。フィル・カーンが去ったボーランドは,今ではマイクロソフトの大事なパートナだ。オラクルのラリー・エリソンは今でも頑張っているが,よく見ればOracle製品の多くはWindows上で動作している。最近は,マイクロソフト最大の技術カンファレンスTechEdのスポンサーになるなど(参考サイト),従来以上にパートナシップが強化されている。

 こうした傾向は,業界にとっては健全であり,あるべき姿だと思う。IT業界も「オトナ」になったのだろう。それはもちろん良いことである。だが,野次馬的には,ゴシップ的面白さに欠けるのは残念に思う。そう思うのは不謹慎だろうか。