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 このサイトをご覧になり、久しぶりにご連絡くださったMさんは、現在は大学でITについて教えておられますが、以前はある企業の情報システム部門で仕事をされていました。

 温和なお人柄のうえ、仕事だけでなく、絵画など多彩な趣味をお持ちで話題も豊富なMさんは、ご一緒させていただくたびに暖かさや元気をくださる方です。ある大きな企業で、支店勤務などの後に情報システム部門で仕事をされ、マネージャとしても活躍されていました。

 転身されるとお聞きしたときは、突然のことに皆が驚きました。すぐ次の瞬間には、Mさんらしくて素敵だと思いましたが、いずれにしても大きなご決断です。どのような思いから、どのようなきっかけで、或いは計画をされて、転身に至られたのでしょうか。いまは、どんなことを感じておられるのでしょう。

なんでIT部門に来ちゃったんだろう

 現在は学生さんが相手ですが、Mさんは、会社員としてITプロでいらした頃にも、ご自身がシステム開発をされるだけでなく、後進の育成にも熱心に取り組んでおられました。Mさんが所属されていたのはIT企業ではないことから、社員の方々は、必ずしもシステム開発の仕事を希望して入社されたわけではありません。そこで、情報システム部門に配属されたひとのなかには、初めは戸惑う方もおられるのだそうです。

 1文字間違えれば全く動かなくなるような、0と1から成るIT独特の世界に、配属直後は、「なんでこんな仕事を自分がしなければならないのか。そんなつもりでこの会社に入ったのではないのに」といった気持ちになる方も中にはおられるとのこと。Mさんは、システム開発という仕事における、グランドデザインを描くところから具体的な形にしていく醍醐味や、ものづくりの楽しさを伝えようと、ミニプロジェクトを用意したり、具体的事例を伝えるなど様々な工夫をしておられました。そのおかげで、現在もその分野で活躍されている方々も多くおられると存じます。

ある日突然

 それにしても、Mさんは、ご勤務先の企業を早々に退職しようとか、いつかは大学で教えたいといった、ご希望や計画をお持ちであったわけではないそうです。いつものように仕事をしていたある日、突然、ご家族のご友人の関係から、ある大学でMさんのような方を求められているとのお話があり、チャレンジする決心をされたそうです。

 働き方や生き方については、10人いれば10通りの考え方があるでしょうから一概にはいえないのですが、Mさんが所属されていた企業では、離転職は少なめで、新卒で入社して定年まで在籍するのを基本とする考え方が、その時点では大多数を占めていたのではないかと思われます。そのような環境にありながら、しかも急なお話に、思い切りが必要だったのではと想像されます。

そもそもの思い・喜び

 転身のお話がある以前から、情報システム部門で仕事をするなかで、ご自身が経験し培ってきたものを後進に伝えたい、伝えなければならないというお気持ちを、Mさんは強く持っておられたそうです。それで、様々な育成の取り組みもしておられたわけですが、会社員ですから、いつ人事異動になるかもしれず、情報システム部門から離れてしまうと、後進の育成も叶わなくなってしまいます。一方、大学で教えることになれば、これから社会で活躍する若者に対して、教え伝えていくことができるということで、これからはその仕事に力を注ごうと、決意をされたそうです。ご家族もその思いを理解し、同意くださったとのことです。

 実際に大学に勤務されてみると、講義だけでなく、クラス担任として大学生活に不慣れな学生さんをケアしたり、仕事として知識修得に励む社会人とは異なり、興味をひかれないものには反応しないことも多い学生さんを相手に、飽きさせないための毎回の工夫が必要であったりと、やるべきことは、山のようにあるのだそうです。しかし、Mさんは、新生活はとても楽しく充実していると語っておられます。

 ふらりと研究室にやってきて屈託なく話し込んでいく学生さんや、システム構築の演習などで、チームで一緒にやっていくうちに目がキラキラ輝きだし、自分たちにもつくれる!うれしい!楽しい!という反応がビビットに現れること、そして何よりも、18歳から22歳という若い時期の学生さんが飛躍的に成長する様子を、そのすぐ傍で実感し、その過程にご自身も関わっておられることが、とても喜ばしく、素晴らしいということでした。

よりご自身らしく

 そう話してくださるMさんは、とてもイキイキとしておられました。服装やヘアスタイルなどの風貌も、会社員の頃とどことなく違って、よりMさんらしく感じられました。元の会社で仕事経験を重ねられるなかで、後進の成長を支援したいという、ご自身の思いを明確に持ち、具体的な形にしておられたことや、また、思いがけず新たな世界へのチャンスが訪れたとき、伸るか反るかというときに、思い切ってやってみるという選択をされたことなどが(他にもあるかもしれませんが)、今のイキイキにつながっておられるように、わたくしには思われました。

 ITプロのキャリアのなかで、このようなことは、誰にでもあるものではないという気もしますが、同時に、誰にもあり得るかもしれないという気もします。いわゆる「計画された偶然」(関連記事へLINK)のひとつかもしれませんね。用意された心に、幸運の女神は微笑むという説もあるそうです。

 それでは、今日もイキイキ☆お元気に。