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 「この歳になって、キャリアについて考えるとか、夢が云々とか言われても、今さら何か始められるわけでもいないし、困るよね」たまに耳にする話です。個人のキャリアや夢のことを、他人から押し付けるようにして言われると、疎ましく感じられるかもしれませんね。

 「この歳になって今さら」と言う方々にも、30歳代、40歳代、50歳代といろいろな年代がありますが、40歳前後のミドルエイジの方々から、より多く聞かれるような気がします(パーソナルな背景も関係しているかもしれませんが)。だけど、ミドルのときこそ、自らのキャリア-仕事生活の道程と意味づけ-について、落ち着いて向き合うことが大切なように思われます。

気持ちは、知識に追いつけない

 年齢や職業に関わらず、元気がないとか、うつ傾向だとかいうひとが多くなっていると聞きます。背景には様々なことがありそうですが、変化が激しく、しなければならない(と思ってしまうような)ことが次から次へと新たに現れる状況に、心がしんどくなることが増えているのではないかという気がしています。例えば休日であっても、最近ですと、ハードディスクプレイヤーに音楽や映像を取り込むとか、パワーヨガのレッスンに行くとか何かと忙しいですよね。楽しい用件でさえ、限られた時間のなかで次から次へとなると、疲れるひともいます。

 心の専門家によると、新しい知識や情報はすぐに頭にインプットされますが、それによって自分の身の回りで実際に発生する状況に対して、気持ちのうえで「あぁ、そういうことなんだぁ」と自然と実感するには、平均すると3年間かかるそうです。例えば、新しい技術が登場したとき、先ずそれを知識として頭で理解しますが、そのことによって仕事の進め方や他のエンジニアや顧客との関係性が変わってきたなぁとしみじみ感じるのは、しばらく経ってからだったりしますよね。気持ちとして実感がわかないままで、行動を変化させなければならない情況もまた、元気をすり減らします。

ミドルは変化だらけ

 さて、技術やビジネス環境の変化の影響は、どの年代のITプロフェッショナルにもありますよね。働くスタイルや処遇の変化もそうですね。これは長く働いてきた方ほど、影響を大きく感じられるかもしれません。これらに加えて、一般的にミドルの方々には、自分自身の変化や家族の変化も訪れます。睡眠不足が辛いなど体力の低下をはじめ、新しいことを身につけるのが以前よりも大変になるなど、いわゆる「もう若くないなぁ」と感じることが増えるようです。同時に、両親など家族の病気や介護の必要、また、子供に手がかからなくなることにより、配偶者と改めて向き合う必要なども生じます。もちろん個人によって異なりますが、このようにミドルの方々は、より多くの、避けようのない変化にさらされているようです。

変化にへこたれないために

 では、様々な変化のなかでもイキイキと前進し続けるには、どうすればよいのでしょう?