ITpro Watcherの馬場さんの記事に「プログラマはSEではない」という記述があり,ちょっと気になった。

 おそらくビジネスマンとして給料をいただくには,すべて指示を待っていて,かつ,言われたとおりにプログラムをつくるプログラマーという職種が心もとないという意味なのだと思われる。

 しかしながら,人間には目覚めるときがある。目覚めたときに現場で一生懸命プログラムを組んだ日々が無駄になるとはとうてい思えない。

 ソニー創業者の井深大氏は,現在ウォークマンなどに使われているイヤーレシーバーを社員が開発したときに,それを耳にはめて,フロアを転げまわって「これはすごい・・」と感動したそうだ。

 それを見た社員はどう思ったろうか。

 プロジェクトをまとめる人間が末端分野の技術的な価値を理解しないのに,担当技術者が心のそこから,やる気になることなどあり得ない。

 もう20年前になるだろうか・・わたしがこの業界に入った時,生意気な,研究者かぶれの技術者がかなりいたものだ。とんでもなく優秀だが彼らがSEとして活躍している姿を想像することはできなかった。

 だがそんな人たちの中から,大学の教授やITの分野で世界規模のプロトコルの仕様を決めるメンバーになった人が生まれたりしたようだ。

 日本は,丸い人当たりのよい人材を好む。そして,天才肌のとんがった人間を敬遠する傾向にある。「ビジネスマンとして失格」という烙印を押すことで。

 だがそのビジネスマン失格の人間の中に天才が混じっていると思ってまちがいない。後は,それを許容する組織,社会が必要なだけだ。

 大きな長所は,大きな短所をあわせ持つと言う。懐の大きな社会が必要だ。

 私は,ぜひそのような方々といっしょに仕事がしたいと思っている。