某ビジネス系週刊誌が「営業の極意」とかなんとか題して、特集を組んでいたのでちょっと一言。こういう特集を組む編集者がよっぽど「極意」を理解してないとトンチンカンになるという典型でしたな、わはは。
トップセールスに聞くならまだしも~ま、それもいろいろあるんだけどね~。「トップに訊く営業の極意」って・・・強烈な勘違い。トップに訊く営業の極意は「トップが行う営業の極意」であって「平社員の極意」ではないのですね。
「営業は営業だから一緒じゃないか」ですって? それが営業を理解してないってこと。なにが違うかっていうとですね・・・
格闘技に例えるとわかりやすいかな。
ボクシングでは軽量級と重量級で戦術が違います。
重量級はお互い動きは鈍いけどイッパツ当たればKO。
軽量級は軽快なフットワークと避ける技術で手数を出す。
重爆撃機と戦闘機
駆逐艦と空母
リッターバイクレースと原付レース
それぞれの操舵が同じわけがない。よしんば基本的な操作は同じでも、「勝つためのテクニック」は全く違うだろう。それを「飛行機の操縦だから一緒」とか「バイクだから一緒」とか言うのは、まあ自分で戦ったことないんだろうなって苦笑してしまうわけだ。
「油野ちゃん、オレも営業経験あるんだよ」
それは営業経験ではなくて、役員として営業に出たことがあるってことでしょ?
だから若手の指導をどうしていいかわかんない。
だから指導してもついてこないんです。
あなたは初めて戦場に出たとき、「ミスリルの盾」と「勇者の剣」を「そうび」してから出たわけだ。大企業の役員という肩書きはそういうもんなんだ。
その経験を若手に話したところで通じるわけがない。彼らはスライムの一撃で5Pも食らう、革の服と銅の剣しか持ってないんだよ。それでも勝つ方法を教えてあげなきゃダメなんだ。それがわかんないから「営業とは自分を売ること」なんてのたまってしまう。
さてさて、そういうことがわかんないで営業経験のない社長さんの談話を「極意」だなんてちゃんちゃらおかしいね。読むほうも一生懸命読んじゃだめだよ。たたき上げのオッサンの話かどうか、見極めるのが学ぶ極意だよん( ̄ー ̄)ニヤリ