PR

 私たちが携わるソフトウエア開発プロジェクトは,他の業界と比べてみても,リスクが高いのが特徴です。リスクが高ければ当然,見積もりの振れ幅も大きくなります。

 リスクの高いプロジェクトをマネジメントするには,それを担保する「予備費」が必須になるのですが,なかなか市民権を得られていません。せっかく予備費を見積もっても,「高い!」と言われたり,価格競争になったときに真っ先に削られたりするのが現状です。そのため開発の現場で予備費をきちんと確保することは,極めて難しいと思います。

 ところが,その結果,プロジェクトの途中で発生した問題や変化への対応や判断が,お金がないがために限られたり遅れたりしてしまいがちです。かえって傷口を広げた例は多くあります。

 予備費については,削られるぐらいなら確保したことを隠しておくのも一つの手です。しかし,関連する数字のつじつまが合わず「?」となるケースも多く,なかなか隠し通せるものではありません。

 となると,予備費を確保した根拠を説明できる見積もり方法を取ることが大事になってきます。いったいどんな方法で「根拠」を明確にするのでしょう。そこで私は,予備費の見積もり方法を次のように三つに分類しました。

(1)リスク分析からリスク対策費を算出する方法
(2)リスクレベルに応じてコストに定率を掛ける方法
(3)幅を持たせて見積もる方法

 (1)は正攻法です。しかし,見積もりの段階で対策費を算出できるまでリスクを洗い出すことは難しいのが現実です。(2)は,最もよく使われる方法です。ただ,根拠を問われたときに論理的に説明するのが困難です。

 (3)は,「最可能値」「悲観値」「楽観値」から,期待値を見積もる方法です。3点見積もり法やモンテカルロ法などの見積もり技法を利用して算出します。ただ,まだまだ普及している方法ではありません。

 皆さんはどの方法がよいと思いますか? 私は,(3)の方法がよいと考えています。なぜなら,この方法は見積もりの根拠を示しやすいですし,見積もりを進めるにつれて幅を縮めていくアプローチが取りやすいからです。

 ただその前に,プロジェクトを成功させるには「予備費を見積もるのが当たり前」という認識が,広まることが条件になりますが…