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 Windows Vistaが完成した。久々にわくわくするOSである。Windows NT 3.1が登場したときは,内部構造にわくわくした。マイクロカーネルの要素を取り込んだ先進的な構造や,VMSを思わせるカーネルには感動したものだ。しかし,GUIはWindows 3.1と同じであり,操作自体にわくわく感はなかった。Ctrl-Alt-Delでログオンするというアイデアに感心したくらいだ。

 Windows NT 4.0はWindows 95とインターフェースをそろえた。このUIは,正直言って,ピンと来なかった。タスク・バーは確かに便利だったし,ウインドウがズームで開くのも面白かったが,わくわく感とはほど遠かった。逆に,一般的には必ずしも評判が良くないWindows XPは,細かい使い勝手が改善されており,さすがに研究の成果が出ていると思った。今,XPスタイルからクラシックスタイルに変えると,使いにくくていらいらする。しかし,わくわくするほど楽しくはない。

 Windows Vistaはちょっと違う。Aeroは,使っていて確かに気持ちがいい。別に何か利点があるわけではない。ガンダム風にいうと,「Aeroなんてただの飾りですよ,偉い人にはそれが分からんのです」というわけだ。それでも,コンシューマ系のOSには飾りも重要だ。ちょっと重いが,来年にはグラフィック・チップも追従するだろう。

 他にもちょっとした気遣いがたくさんある。プレゼンテーション・モードでは,スクリーン・セーバーの無効化と壁紙の変更を簡単に行える。ノートPCに外部ディスプレイを接続すると,自動的に検出し,拡張ディスプレイとして使うのか,本体ディスプレイと同じ内容を表示するのかを選択するダイアログ・ボックスが表示される。新フォントのメイリオも読みやすい。

 Windows Vistaの中身は,見かけよりももっと変わった。管理者であっても権限確認を必要とするUAC(ユーザー・アクセス制御)や,Internet Explorerの保護モードは,Windowsの安全性向上にさらに貢献するだろう。新しいネットワークに接続した場合は,公共ネットワークか職場のネットワーク,あるいは家庭のネットワークかを指定することで,適切なセキュリティ設定が行われる。

 惜しいのは,少々価格が高いことだ。Windows Vistaの機能の多くは,なければないで済ませることができる。Windows 3.1からWindows 95に乗り換えると,ネットワーク機能とマルチタスク性能が大幅に強化された。Windows 98からWindows 2000に乗り換えると安定性が大きく向上した。Windows Vistaには,そういう分かりやすいメリットがない。マイクロソフトは,買い換え需要は少ないと判断し,価格を上げたのだろうか。

 ともあれ,Windows Vistaは個人的には非常に気に入った。実は,自宅にWindows XPを導入したのは発売後1年を経過してからだった。Windows Vistaはなるべく早めに導入したいと思っている。