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 まずはお詫びと訂正から。前回の記事に事実誤認があるとの指摘をいただいた。非公開コメントなので直接の引用は避けるが,骨子を紹介しておく。当時のうわさを検証せずに掲載したことをお詫びして訂正させていただく。

 まず,みかん星人事件で,マイクロソフトがかけてきた“圧力”は「広告を引き揚げる」ことでもなく「取引をすべて停止」することもでもなかったという。前回の記事で紹介した中村正三郎氏のサイトにも,このような“圧力”があったとは書かれていない。

 当時の“圧力”の実態は「情報提供を断る」ということだったそうだ。編集部側としては,マイクロソフト製品の画面ショット掲載が拒否されることを恐れたが,実際にはマイクロソフトはそうした主張はしなかったということだ。

 指摘していただいた内容は以上の通りである。

 それで思い出したが,当時,マイクロソフトから「雑誌や書籍での画面ショット紹介は著作権侵害に当たらない」という公式なコメントが出たと記憶している。もしかしたら「誹謗中傷を行わない」という付帯条件が付いていたかもしれないが,その辺の記憶は定かではない。

 ところで,もし同様の事件が今起きたらどうなるだろう。画面ショットの利用を禁止されては困るが,情報提供に関してはあまり問題にならないだろう。今なら,特別な契約を結ばなくても大量のドキュメントが公開されているからだ。製品のドキュメントは,パートナ以外に対してもほぼすべて公開されているし,サポート用のドキュメントも簡単に入手できる。どこに何があるのかがよく分からないのが難点だが,それも近年は改善されつつある。

 マイクロソフトについては,いろいろ悪口も言われているが,案外(というと,また失礼だが)パートナや顧客を大切にしている。特に,情報提供に関しては他に類を見ないくらい手厚いサポートがある。Webで公開された文書以外にも,多くの無料セミナーが開催されている。例えば,マイクロソフトのパートナ向けには「m-step」と呼ばれる無料セミナーが開催されているし,最近では「Microsoft On」と称して,無料でセミナー講師を派遣している。有料セミナーではさらに突っ込んだ情報を入手できる。

 これだけのサポートを無料で提供できるというのは,製品の利益率がよっぽど高いのではないかと思う。ただ,マイクロソフト製品の運用コストを算出してみると,(条件にもよるが)それほど高額なわけではない。価格はソフトウエアの価値を示すひとつの要素でしかないが,競合他社が対抗するのはかなり難しいのではないか。

 ソフトウエアの世界ではスケールメリットは大きい。複製原価が限りなくゼロに近付くからだ。対抗するには,従来型のソフトウエア販売モデルではなく,Googleのように,インターネット利用者全体を巻き込んだ戦略が必要になるだろう。最近,マイクロソフトからGoogleに移る人が増えているらしい。ちょっと楽しみである。