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 新年明けましておめでとうございます。今年の皆様のご健康とご発展をお祈り致します。2007年の年初にあたり,改めてこのブログに取り組んでいる“筆者の心”を述べてみたい。

ブログの根底にあるのは“SEの変革”への想い

 既に読者の中にはお気付きの方もおられると思うが,筆者が書いているこのブログの根底には“SEの変革”への想いがある。それは筆者は若い時から長年SE人生を歩んできたが,数十年間たってもSEが抱えている問題は依然として殆ど変らないからである。

 最近はSE職種を3Kと評する人さえもいる。そして学生の就職人気も下降気味である。ハード・ビジネスからサービス・ビジネスに変わって,かえって悪くなったと言う人もいる。サービス・ビジネスの方がシステム開発力などSEの重要性が高まるはずなのに,と思うと不思議な現象である。

 このSEの問題には,言うまでもなく派遣的なビジネスのやり方,常駐,体制図の提示,人月問題,職務のあいまいさ,営業の2次請け的立場など,様々な難しい問題が絡んでいることは分っている。だが,日本の産業の将来や60万人70万人と言うSEの将来を考えると,このままで良いと諦める訳にはいかない。

学んだものを後輩に伝えることで進歩が起きる

 そこで“SEは変革せよ”と言うことになるのだが,これまで昨年の読者の方から頂いたコメントを見るにどこまで読者の方にそれを理解して貰っているか,いささか疑問もある。読者の方にご理解頂けないのは筆者の不徳の致すところだが,改めて筆者がこのブログを書いている“心”を述べる。

 ご存知の方もおられると思うが,筆者は日経コンピュータや拙書「SEを極める」に次の様に書いている。

 “科学の世界では先輩が身につけたノウハウを先輩よりより短い期間で後輩が身につけないと科学の進歩はない。それはSEの世界も同じである。先輩SEが長年かけて学んだものを後輩SEに伝える。その後輩SEはその中で納得行かないモノやおかしいと思うモノは捨てる。「なるほど」と思うものを先輩より短期に身につける。そして、それに自分がその時代に新しく学んだものを加えより充実・発展させて次の後輩に伝える。この繰り返しによって科学の進歩がある様にSEの世界も進歩・発展する。”

 筆者はこのブログもこれと同じ想いで書いている。即ち,筆者は現役時代にSEが抱えている問題を解決する手はないかとさまざまなことにそれなりに挑戦して来たが,その経験が次の世代の後輩のために少しでも役立てばと思って書いている積りである。年初に当たりこのことを改めて読者の方々にご理解願えればと思う。

“なるほど”と思ったものだけを参考にすればよい

 従って,筆者は“SEの問題を解決する正解はこれだ。だから皆なこうすべきだ”というつもりでこのブログ書いている訳ではない。個々の読者の方にとっては“なるほど”と思うものそうでないもの,何割かの方には通じるが他の方には無理があるもの,など色々あると思う。

 読者の方々はこのブログの中で「なるほど」と思ったものだけを参考にされ,そうでないモノは捨てて頂ければと思う。そしてそれに自分流を加えより充実・発展させて次の世代の後輩に贈ってほしいと思う。するといつかは今抱えているSEの問題は解決する筈だ。筆者はそう信じているが,皆さんの意見はどうだろうか。

賛否両論で当然,でも批判だけで終わらせないでほしい

 これまで読者の方から頂いたコメントの中には「馬場さん,その通りだ。勉強になる」というものから,「今は古きよき時代とは違う」,「現状を知らないで気楽に物を言う」,「理想論だ」,「現実は違う」,「SEばかり批判するな」,「とてもSEを知っているようには思えない」などいう批判的なものまで色々あった。

 筆者は賛否両論あって当然だと思っている。

 ただ,批判的な意見をお持ちの方も,単に批判するだけで終わらないでほしい。単に批判だけ終わるなら単なる犬の遠吠えである。そんな人も是非自分達が現在抱えている問題を少しでも解決する何かを行ってそれを次の世代の方に贈ってほしい。それが後輩に対する義務でなかろうか。

 その意味において,このブログで単なる批判コメントを書かれた20代30代のSEの方には筆者は「だったらどうなの?」,「君だったらどうするの?」と聞いてみたい気もするが,いずれにしても先輩として後輩のために頑張ってほしいものだ。

過去と同じことをやっても問題は改善しない

 現在,日本のSEはいろいろな問題を抱えている。その問題解決の歴史を見るに,20~30年前からこれまで,メーカーをはじめとする大手企業ではスキルの体系化,職務の明確化,人事や教育の体系化,スペシャリスト制度の導入,表彰制度など様々な対策を行ってきた。

 だが,それで1~2%くらいは良くなったかも知れないが,ほとんど何も変っていない。ということは,過去の先輩と同じことをやっても十年先,二十年先も何ら大きな変化はないということになる。言い換えれば,今のSEの方はこれまで多くの先輩がやってきたことをやってみても,SEの問題はほとんど解決しないということだ。事実,歴史がそれを証明している。

 従って,今のSEの方は大変だが,過去の多くの先輩がやってこなかったこと,もしくはできなかったことをやるしかない。

難しいが,知恵と工夫で挑戦を

 すると当然,それらは体制図,マルチジョブ,常駐,人月問題など“ビジネスに直結する”,“ジョブアサインに関係する”難しい問題ばかりである。いうまでもなく,それをやるのはそう簡単ではない。だが,それに挑戦するしかない。もちろんそこには,企業としてやるべきことがある。しかし,体制図を出さない,マルチジョブ化などSEが挑戦すべき事項も少なくない。

 過去の多くの先輩はそれをやろうとしてできなかったのか「会社が悪い,顧客が言うから仕方がない」と言って逃げたのかは分からないが,結果的にはSEの世界は大して変っていない。しかし,今のSEの皆さんは知恵と工夫を発揮して,ぜひ挑戦してほしい。それが今日の一言である。そして2007年が多くのSEマネジャやSEにとってその元年になることを期待したい。筆者はそのことを念じて本年も次の世代の方々にメッセージを贈りたいと思う。