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 明けましておめでとうございます。今年もどうかよろしくお願いいたします。今回から3回にわたって,2007年,「Web2.0」と企業――Enterpriseがどう絡み合い,変化を遂げていくかを皆さんと一緒に考えてまいりたいと思います。

 ちょうど1年前の2006年元旦,私はGoogleの「ウェブ全体から検索」で"Web 2.0 for Enterprise"を入力しました。ヒットしたのは世界中で私の会社のページ1件だけでした。しかし2006年の1年間を通して,「Web2.0 for Enterprise」と同様のテーマを謳う記事は増えました。似て非なる概念ではありますが,関連の深い「Enterprise2.0」という言葉も多用されるようになりました。

 さて,今年5日の時点で「Web2.0 for Enterprise」を検索してみました。約612件(定冠詞入りの「Web2.0 for the Enterprise」なら約 711件),「Web2.0 on Enterprise」が約46件のヒットです。前者がプラットフォームとしてのWebの進化を論じているのに対し,後者は目に見える,触ってみてわかりやすい“アプリケーション”として,Web 2.0をとらえている雰囲気です。

 意識的にせよ無意識的にせよ,Web2.0をプラットフォームととらえて,次世代企業情報システムの設計原理を考える人々が増えたのは嬉しい限りです。

Web2.0的ビジネスモデルの「リスク」

 技術やアイデアは,ビジネスに寄与してこそです。まずは今年,Web2.0がビジネスにどうインパクトを与えるか,昨年の動きを見つつ予測していきましょう。

 まず見逃せないのが,Web2.0の「リスク」です。先般,「ついにWeb2.0の“影”の部分が登場した」という記事を書きました。Web2.0に類するサービスが普及し,数多くの人々が利用するようになると,サービスを使った悪意ある攻撃にさらされる頻度が高まります。当然,Web2.0をベースにしたビジネスにも大きな影響を与えます。

 どんな技術も同じような側面がありますが,セキュリティは特に,技術だけでなく,運用者からユーザに至る行動のガイドラインまで含めた総合的な対策を必要とするものです。最先端の機能が提供する利益を享受しつつ,被害を最小限に食い止める――。この姿を実現するには,どうすればよいでしょうか?

 「その時点でメジャーなプラットフォームを選択し,それを使った上で,最新の知恵とノウハウで素早く対処する」。シンプルではありますが,これが,当面採用すべき賢いやり方かと思います。もちろん,SQLインジェクションや,クロス・サイト・スクリプティングといった定番の攻撃については,“定番”の対策を施した上でのことですが。今年は,Web2.0的なシステム・プラットフォームを検討する際に,セキュリティの危険性を考慮するケースが増えてくるでしょう。実験段階が終わって本格的な普及期を迎え、メリットをいち早く享受するにあたって払わねばならない代償の一つと考えて良いかと思います。

Web2.0が新サービスの幅を広げる