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 たとえ,どんなICT(Information & Communication Technology)時代になったとしても,コミュニケーションの基本が「ありがたいご縁に感謝する心」であることは変わりません。ましてや「商い」をさせていただくのであれば,ICTを使おうが使うまいが,毎日「お礼」「お礼」の連続でしょう。

 むしろ,インターネットの恩恵で,生涯に接点を持つことができる人数は桁違いにもなります。だからこそ「一期一会」になりやすいご縁をもっと大切にしたいものです。幸いにして,ICTでこれまでにない「お礼の方法」が考えられます。

 そこで今回は「お礼状」や「お礼電話」と合わせて,心に残る「お礼ブログ」と「お礼メール」の新しい活用法を考えてみましょう。

真の商人は「お礼状」の達人

 「お礼状」と聞いた瞬間に,「忙しくて書けない」と思われる方も多いかもしれません。しかし,私が感動した「お礼状の達人」は,みなさん誰よりも忙しい方々でした。

 例えば,お聴きした講演会の一聴衆からの「お礼状」に,わざわざ筆文字で「お礼状のお礼状」を下さったダイエー創業者の故中内功元会長や,アサヒビールの中条高徳名誉顧問の心づくしには,一瞬わが目を疑いました。そして深く心に残りました。

 また,日興證券時代の上司で,現在は監査法人トーマツでご活躍されている笠榮一顧問は,まさに「お礼状」「お礼電話」の達人です。どんなに任地や所属が変わろうと,商売のおつきあいはなくなろうと,一度お世話になったお客様方とのご連絡を欠かしません。千枚近い暑中見舞を担いで富士登山をして,山頂郵便局消印のはがきを送られたと聞けば,心が動かない人はいないでしょう。

 ありがたいことに,私は,素晴らしい師の下で社会人生活を始めることができました。松下政経塾出身の起業家,イマジニアの神蔵孝之社長に,お礼状の大切さを叩き込まれたのです。お礼状は,その日のうちに出すのが最良で,翌日,その翌日と時間が経つごとに,効果が半減すると教えられました。

メールマガジンは日々お出しする「お礼状」

 こうして身に付いたお礼状の習慣で,どれだけ多くの縁が結ばれたかわかりません。しかし,心に響く「お礼状」にも短所がないわけではありません。

 まず,一人一人に心を込めて手書きでお礼状を書くには時間がかかります。毎日,数多くの方と接している多忙な方には,時間の制約があるでしょう。それから,お礼状を出すには絶好のタイミングが必要です。お会いした後,お話を伺った後,お祝いや冠婚葬祭,年賀状や暑中見舞いなど,お手紙を出すのにふさわしい時は限られるでしょう。

 何より,お礼状では「お礼」こそできても「お役立ち」が難しいという一面もあります。やはり,この情報化時代には「ご恩返し」として「お役に立つ情報」を継続的にお届けしたいものです。

 そこで,お礼状で心がつながった後で,ご許可をいただいてメールマガジンをお届けすることがご縁の継続に役立ちます。まぐまぐやメルマといった無料配信サービスを使えば,個人であっても資金や作業負担なくメールマガジン発行者になれます。

 私も,縁者のみなさまに,ほぼ日刊のメールマガジン「縁尋奇妙」を配信しはじめて10年近くになります。日刊と言っても,縁者の方々からいただいた貴重な情報やお知らせを引用して,コメント付きで再配信をしていることが多いので,大変ではありません。むしろ,相互に情報提供やPRをしあうことで,縁者のみなさんの満足感を高めることができると考えております。

 このメール縁のおかげで,知己を得た多くの縁者と深くて長い交流が続いて,どれだけ人生が豊かになったかわかりません。

感動したら「ブログ」に書く,検索で見つかる

 しかし,縁者の方々に情報は発信したいけれども,メールマガジンでは荷が重いと感じている方もいらっしゃるでしょう。たしかに,デジタル文字だけで想いを伝えるには,文章量と文章力が必要になります。中途半端な内容では,スパムメールにあふれる受信箱の中で埋もれてしまうかもしれません。

 そこで,もっと手軽なブログの登場です。ブログならば,ケータイで撮った写真や,引用した画像で,文章に自信の無い方でも表現力豊かに伝えることができます。縁者のRSSリーダーやSNSに登録していただければ,更新した記事を気軽に読んでいただけるでしょう。

 そして,お世話になった縁者のお名前や会社名などを題名にしたブログ記事を書けば,それらの名前で検索した人に見つけていただけるケースも多いでしょう。その記事が,深い感動や敬意が感じられる心を込めたものであるなら,読者は紹介されていた人物やご所属の会社に好印象を抱くはずです。もちろん,紹介されたご本人が目にすれば,特別な感慨を覚えるでしょう。

新しいお礼法1:まずは「お礼ブログ」で感動共有

 そこで,これからの「新しいお礼法」では,「お礼状」「お礼電話」のみならず,「お礼ブログ」「お礼メール」「お礼メルマガ」の長所を組み合わせて活用したいものです。

 ご参考までに,現在,私が実践している「新しいお礼法」をステップに従ってご紹介しましょう。

 まずは「お礼状」や「お礼メール」を書く前に,今日の感動をブログ記事に「お礼ブログ」として書きとめるようにしています。ブログにお書きすることで,より多くの人と感動を共有できますし,お会いした方の素晴らしさを微力ながら広めるお手伝いにもなります。

 「お礼ブログ」は特別に長く書く必要はありません。今日お会いしたことに加え,その時に教えていただいたこと,勉強になったことなどを簡潔に書けばよいのです。

 最も注意していただきたいのは,ブログの題名に,お相手のフルネーム・所属団体名・商品名などを盛り込むことです。例えば,「○○○○社の□□□□部長に新商品△△△△について教わりました」と書けば,どのキーワードでも検索上位に表示される可能性があります。

 そして,本文については,たとえ講演会であれ中身の濃い面談であれ,すべてを書く必要はありません。印象に残ったことを,一つか二つに絞って書けば良いのです。より詳しい情報は,公式サイトや関連サイトにリンクで誘導すれば良いからです。

 また,ブログの利点を生かして,画像も使いたいものです。懇意の方であれば,あらかじめブログで使うことをお伝えしながら,写真を撮らせていただくのも良いでしょう。わざわざ撮影しなくとも,画像を引用させていただく方法もあります。

 例えば,取扱商品やご著書の紹介をする時には,公式サイトのプレスリリースにある公開画像などを引用すると良いでしょう。それらの商品がネット販売されていれば,その購入ページにリンクしてブログを終えれば,読者にも親切ですし,お礼ブログを差し上げる方にも喜んでいただけるでしょう。

 もちろん,最後に感謝のお礼を添えることをお忘れにならないように。

 ちょうど,つい先日,私も「ジャルパック梶 明彦社長に「旅行業界のIT展望」を教わる」というお礼ブログを書きました。かなりの長文ですので,「応用編」になるかもしれません。ご参考になれば幸いです。

新しいお礼法2:相手のブログにコメント/トラックバック

 ブログが書けましたら,今日お会いした方の「お名前」と「ブログ」の2語で組み合わせ検索をしてみましょう。個人ブログをお持ちの方でしたら,すぐに見つかるはずです。

 そして,最新のブログや印象的な題名のブログを拝読して,そこにコメントを書きましょう。例えば…,


  本日は貴重なお話の数々をありがとうございました。
  ○○様に教えていただいたことを,
  さっそく私のブログに書かせていただきました。

 ブロガーならば,必ず,このコメントは目に留まるはずです。そして,コメントと合わせて,ご自身のブログURLも併記しておけば,ブログを見てくださる可能性も高いでしょう。

新しいお礼法3:個人メルマガで「お礼ブログ」を紹介

 もし,既に個人でメールマガジンを発行されている方でしたら,さらに効果的なお礼もできるはずです。おそらく日々のブログの更新情報もメルマガに掲載して発信しているでしょう。メルマガをきっかけに,ブログ記事を読んでくださる方も多いからです。

 当然ながら,お礼ブログもメールマガジンでご紹介しましょう。そうすれば,より多くの方の目に触れることになり,お礼をしたい方の人物像を広くお伝えできることになります。

 ブログ更新情報をメルマガでご紹介するのは簡単です。ブログの題名と日付,そして最初の数行を抜粋して,あとはURLを併記するだけです。あえてメールマガジン用に原稿を起こす必要もないのです。

新しいお礼法4:「お礼メール」で「お礼ブログ」引用

 ここまで準備ができたら,いよいよ「お礼メール」の出番です。

 この時に重要なのは,メールの題名です。ひょっとしたら,お相手は,一日に数百通のメールに見舞われる多忙な方かもしれません。

 ですから,題名だけで要件と熱意が伝わりますように…,


【ご面談お礼】昨日の○○のお話に感銘してブログでご紹介させていただきました

…などと,なるべく具体的に書くようにいたしましょう。そうすれば,メール一覧の中で目にとまって読んでいただける確率が高まるはずです。

 さらに,お忙しい相手に出す時は,なるべく簡略に短い文章で要点をお伝えする心くばりが大切です。この時,「お礼ブログ連動」のお礼メールが効力を発揮いたします。詳しい内容は「お礼ブログ」に書いておけば,「お礼メール」の本文は「お礼ブログ」のエッセンスだけをお伝えしてリンクすれば良いからです。

新しいお礼法5:お礼メールとブログを印刷して「お礼状」

 しかしながら,心をこめてお礼メールを書いたとしても,相手の目にとまらない可能性もあります。多忙なビジネスパーソンのメール受信箱は,スパムを含む数百通のメールに埋もれているかもしれません。また,秘書が目を通してから,おつきあいのある方のメールのみを伝えていることも少なくありません。

 せっかく書いたお礼メールやお礼ブログを生かすためにも,もう一工夫いたしましょう。まずは,ブログ記事とお礼メールをプリントアウトします。もちろんカラーで印刷した方が印象に残るはずです。

 お礼メールのプリントアウトに一言お礼を手書きするか,手書きメッセージ入りの名刺を添えれば,「お礼キット一式」の完成です。よりていねいに気持ちをお伝えするなら,一筆箋や便箋に筆文字のメッセージを添えれば良いでしょう。

 これらの「お礼キット」は,A4用紙が入るような大きな封筒に入れれば,多く郵便物に埋もれてしまうことはありません。大型郵便のDMに間違えられないように,手書きで宛名をお書きしましょう。私は,郵便の中身を示すために,差出人名の前に,「先日の勉強会ではお世話になりました」などと一文を添えることもあります。

 ここまで心を尽くせば,たとえメールも郵便物もすべて秘書を通すVIPであっても,目に触れるチャンスが広がると思います。しかし,さらに想いを届けるのでしたら,郵便が届いたころに「お礼のお電話」を差し上げると良いでしょう。

※          ※          ※

 さて,「お礼ブログ」と連動する「お礼メルマガ」「お礼メール」に始まり,「お礼状」や「お礼電話」も組み合わせた「新しい最上級のお礼法」はいかがでしたでしょうか?

 ここまでお礼に手はかけられない,と思われるかもしれませんが,ブログやメルマガが習慣になっている人にとっては,新たな手間はほとんどかかりません。むしろ,ブログやメルマガで多くの人に伝えるにふさわしい記事が見つかった,と感じるかもしれません。

 新しい時代のネットワーカー=縁を紡ぐ人は,一期一会の精神で出会った方に礼をつくす人であり,同時に,出会った方に感化された素晴らしいものやことを1人でも多くの縁者に伝えたいと心から願う人だと考えています。