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 「若い頃のような仕事の仕方は、もうできないなぁ」そんなふうに感じる瞬間がありますか。それはどんな場面においてですか。新しい技術の修得?徹夜の作業? そういうあなたは、何歳ですか。

 「自分はもう、彼らのようには頑張れないなぁ」。25歳のひとは高校生をみて、35歳のひとは新入社員をみて、45歳のひとは35歳のひとをみて、そう感じるかもしれませんね。25歳で若くないというのは、ちょっと早すぎる気がしますが、一説によると、ITプロフェッショナルは他の職業の方々よりも早い時期に、これまでのようにはやっていけないと感じることが多いそうです。技術の変化がとても早く、また、深夜までの勤務が多いこと、高度な技術と人のマネジメントを同時に要請されることなどからも、うなずけるところがあります。それにしても、そういうことを感じはじめると、落ち込みますよね。これから先が心配にもなります。元気をとり戻すにはどうすればいいのでしょうか。

若くして限界に直面

 ITプロにも増して、若いうちに限界に直面しそうな職業に、プロスポーツの世界があります。本人はやる気満々で腕に磨きをかけていても、ある日突然、戦力外とされてしまうこともあります。人生の大半をそれに打ち込んできたことが、これ以上は続けられないかもと意識したとき、彼らはどうしているか、その一例(の一部)を耳にしました。サッカーのJリーグには、キャリアサポートセンターがあるそうです。現役で活躍中の方々が将来への不安もなく安心してプレイに集中できるように、そして、次のキャリアへうまく移行できるように、コンピュータやコミュニケーションのスキル修得プログラムや企業でのインターンシップなど様々なサポートがあり、OBの体験談も共有されています。それでも、子供の頃から打ち込んできたことに区切りをつけ、新たな出発をするのは容易ではないでしょう。

経験・思い・繋がり

 そのプロセスで最も有効なのは、自分で考え抜くことと、人との繋がりだとお聞きました。自分がやりがいや意義を感じるのはどのようなことか、経験を通じてじっくり考えることと、その語りや相談、場合によっては仕事の紹介にもつながる人間関係が重要だと。例えば、自身が怪我で苦労した経験を活かしてプロ選手のリハビリテーションに役立ちたいとの思いを強め、コンディショニングコーチを目指すひと。サッカー関係者だけでなくスポンサー企業のひととの繋がりからビジネスの話を聞き、サッカースクールを経営することになったひと。現役時のチームドクターを通じて医学部の先生と知り合い、スポーツと医学を結びつけることの有用性を知り、現役中に大学院受験に臨んだひともおられます。小学生チームのコーチになったひとは、現役時代にイベントで子供の喜ぶ姿や成長に触れた経験がきっかけという話もあり、同じサッカー選手だったひとたちが、各々に異なる歩みを新たに進まれています。キャリアの岐路において、いきなりスキル修得に励むのではなく、経験やひととの繋がりを通してじっくり考え、自らの意志を定めたあとに、その思いに突き動かされるように、理学療法や経営や法律などを猛然と勉強しはじめたというのが、印象的です。スポーツ選手に限らず、ITプロにも共通するところがありそうですよね。

「やりがい」はどこに

 ITプロ1万人の調査では、経験年数を重ねた人たちは、仕事のやりがいとして、お客様から感謝されることや、仕事それ自体が楽しいというのを多くあげられていました。自分自身にとってのやりがいの源泉を見極めたら、これまでどおりの働き方でなくとも、自らを活かす仕事を新たに見つけ出すことができるかもしれません。例えば、顧客の感謝がやりがいならば、これまでにないような顧客企業の課題やお役に立てそうな事柄を創出し、そこで新たな貢献をすることもできるでしょう。その際には、その顧客や業界に関わる仕事仲間からヒントを得られるかもしれませんね。また、顧客に限らず、自分の仕事や存在が意義あるものであることの確認として、役立つこと・感謝されることがやりがいであるなら、後進の成長を支援することや仲間が仕事をしやすくするためのサポートもできそうです。顧客の反応をビビッドに感じるには、営業の役割に挑戦するのもいいかもしれませんね。セールスパーソンに仕事の実態を聞いてみてはどうでしょう。仕事自体に我を忘れるほど夢中になれるのなら、そのことで報酬を得ている意義や幸運をいま一度見直すのも大事ですよね。

世の中これからなので

 政府が発表した「成長力底上げ戦略」に、フリーターなどを対象として、ITスキルなどの習得費用として20万円が支給されるといったプランもあるそうですが、ここでも、スキルがあれば若者がイキイキと働けるかというと、そうでもありませんよね(もちろんそれが役立つ局面もありますが)。フリーターとされるなかには、企業に就職したいひとばかりでなく、夢に向かって時間とエネルギーを配分するために敢えて固定的に働かない選択をしているひとや、滅私奉公や過剰労働の職場を疑問視しているひともいるかもしれません。これらは、若者だけでなく働くみんなの問題で、もう頑張れないと感じる要因にもなり得ますよね。サラリーマンは夢をもてない、生活全般が犠牲になる、いきなり戦力外通知で支援なしといった実態があるなら、そこに対する国や企業としての取り組みも必要でしょう。でも今はまだその途上なのでなおのこと、個人として、焦り過ぎたり萎えたりせず、自分が元気に働ける素やコツをつかむ意義があると考えられます。

 「これまでのような仕事の仕方はもうできないなぁ」と感じたら、慌ててスキルアップ講座に通ったり転職活動したり引きこもったり(?)する前に、どういったところにそれを感じるか、自分にとってのイキイキとした仕事生活はどういうものかを、一度立ち止まってじっくり考えましょう。当たり前のことのようですが、行き詰まりを感じる状況では、目先の用件に追われて大切なことを思考できないものです。一見遠回りのようでも、これまで真摯に働いてきた大人ならば、表層的な自分探しや青い鳥探しには終わらないはずです。それからのほうが、次の一歩の踏み出しに勢いと実効性がでます。それと同時に、仕事の関係以外にも、そんな話をできるひとたちとの繋がりを普段から大切になさってください。

 それでは、今日もイキイキ☆お元気に。