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日立製作所 ソフトウェア事業部 企画本部 新分野事業推進室 主任技師 大場みち子氏

 日立製作所 システム開発研究所に在籍していた7年半の間に,私は3件の論文を情報処理学会などに投稿し,2件が論文として採録されました。この段階で博士号取得条件の半分以上をクリアしましたが,ソフトウェア工場(現ソフトウェア事業部)に異動し,日々の仕事に追われるようになると,博士号を取得したいという思いはあっても,なかなか行動に踏み出すことはできませんでした。

 販売推進の業務に変わってからも,業務に追われる毎日は変わりません。そんなある日,研究所時代の元上司である大阪大学大学院の教授からお声がかかりました。「博士号を取得しないか。学位があれば,今の販売促進の仕事を進める上でもきっと有利になる」と,熱心に誘って下さったのです。

仕事と学位取得の「両立」を決意

 お誘いがあった当初,私は現在の業務を続けながら博士号を取得することは難しいだろうと考え,半ば諦めていました。ところがふとしたきっかけで,私の身近にいる先輩(男性)が,博士号を取得するため,国内の大学に社会人入学していたことを知りました。

 「先例があるならば,可能性はあるかもしれない」と思い,私は当時の上司に博士号取得の件を切り出しました。すると上司は,「やってみなさい」と快く背中を押して下さいました。かくして,日々の業務をこなしながら博士号取得を目指すという難業に挑むことになったのです。

 通常,博士号を取得するには一般的に大学院の博士課程に入学し,3年かかるります。大学院によって異なりますが,取得の要件としては,博士課程の必修単位を取得すること,査読論文を3件以上採録されていること,国際学会発表を2回以上行うこと,これらの研究に基づいて博士論文を書くことなどがあります。私の場合,すでに査読論文が2件採録されていたので, 1年間短縮の2年間での取得を目指しました。

 単位の修得は比較的簡単でした。博士課程の必修単位は意外に少なく,レポートを提出したり,修士課程の学生向けに授業を2コマ(3時間)行うなどでした。後者では,これまで業務で携わってきたワークフロー技術について講義を行いました。ワークフローであれば3時間どころか,1年にわたって講義と演習ができるだけの知識と実務経験があると自負しています。

 海外発表は,2000年と2001年の2回,ハワイのマウイ島で開催されたIEEEの国際会議で発表しました。緊張しましたが,首尾よく乗り切ることができました。そして発表の後は,マウイの海を満喫しました。仕事と研究に打ち込んできた自分へのちょっとしたご褒美です。