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 今回は個人的な話である。マイクロソフトは総合ソフトウエア企業であるが,フォトレタッチ分野は非常に弱い。「弱い」というのは,製品が存在しないという意味ではなく,安心感がないという意味である。

 商品としては「デジカメスタジオ」と「Digital Image Pro」の2系統があったが,いずれも「Picture It!」の統一ブランドで発売されていた。デジカメスタジオが初心者向け,Digital Image Proが上級者向けということで,PhotoshopとPhotoshop Elementsのような位置付けだったのだろうか。そのうちにデジカメスタジオは消え,Picture It!のブランドもなくなってDigital Image Proの名前だけが残った(関連サイト:マイクロソフトのカタログ・サイト)。

 ただしレジストリ構造などを見るとPicture It!の名前は残っている。サポート技術情報などを総合すると,デジカメスタジオは「Picture It! Express」という英語名のようだ。

 また,Windows 2000には,コダックのOEMである「Imaging for Windows」が付属していたが,Windows XPからなくなった(関連情報:サポート技術情報「Kodak Imaging for Windows は Windows XP に含まれない」)。ただし,Windows VistaにはWindowsフォトギャラリーが内蔵されていて,写真の表示と簡単なレタッチができる。

 一方,Microsoft Office XP以前は「Photo Editor」というツールが付属していたが,Office 2003からは「Picture Manager」というツールに変わった。

 つまり,単独製品として2種類,OS内蔵製品として1種類,Office製品の一部として1種類,合計4種類の写真関連ソフトがあることになる。ただし,単独製品はブランドに統一性がないし,OS内蔵製品とOffice製品は,バージョンによって異なるソフトウエアとなる。実にややこしい。

 そして,6月18日には,Digital Image Proの開発終了というニュースが入ってきた(関連情報:デジカメWatchのニュースDigital Image ProのWebサイト)。

 マイクロソフトは決して「失敗しない企業」ではない。むしろ失敗は多い方ではないか。「Microsoft Bob」なんかは「伝説の失敗」と言ってよい(先のTechEdの基調講演では,Microsoft Bobをネタにした自虐的なジョークも披露された)。しかし,これだけバージョンを重ねたあとの撤退はあまり多くないように思う。

 ところで,何が言いたいかというと,私が家で使っているレタッチ・ソフトがDigital Image Proで,写真管理ソフトが姉妹製品のDigital Image Libraryだという個人的なことだ。Digital Image Proは安価な割にトーンカーブなどの高度な機能を備えており気に入っていたので残念である。たぶん,(値は張るが)そのうちにPhotoshopに乗り換える。

 困るのは写真管理ソフトの方である。マイクロソフトはWindows Vistaのフォトギャラリーを使って欲しいと主張しているようだが,少々力不足である。Photoshop Albumは,Exifの日付よりファイルの日付を優先するようで,古い写真の並び順が思ったとおりにならない。もしかしたら,昔のデジカメのExif情報が間違っているのかも知れないが,Digital Image Proは正しく解釈してくれる。また,ほとんどのタグ情報も移行できない。

 開発が停止してもサポートは2010年まで継続するし,サポートが切れてもソフトウエアが使えなくなるわけではない。しかし,いずれ新しいソフトウエアに移行したくなるだろう。どうせ移行するなら早い方がいい。さて,どうしたものだろうか。

追記

 Windowsフォトギャラリーで,Digital Image Libraryのタグ情報が「使えない」というのは私の勘違いだった。なんのことはない,単にインデックスが生成されていなかっただけである。しばらくしたら,印刷マーク以外はきちんと分類された。

 いったんインデックスが生成されたら,タグ一覧が表示されるなど,Digital Image Libraryよりも使いやすい面もある。なるほど,開発が中止されるわけである。