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 例年であれば,これからが本格的な残暑(インディアンサマー)になるはずのSFベイエリア・シリコンバレーですが,今年は冷夏から秋,そして雨季に直行しそうな気配。先週末には既に数ミリの雨を観測。9月に雨なんて滅多に無いことなのですよ。これも異常気象の現れなのでしょうか。

 さて,今回は英訳しにくい日本語を集めてみました。会議中にこのような表現が飛び出してくると,とっさにどう訳したらよいのかわからず慌ててしまいます。皆さんも一緒に名訳を考えてください。

マニアックは英語圏では“狂人”?

 IT業界では,コンピュータに関して「マニアック」な知識やスキルを持っているSEが少なくないですよね。いわゆる「コンピュータオタク」といわれる人達。日本語では,一種の畏敬の念を含んだ言い方です。

 けれども英語でmaniac(メイニヤックと発音)と言うと,通常は,狂人を意味します。手が付けられないほど度が過ぎた状態になった人という意味。人間としての理性を失った動物本能のみで行動するようになった状態というニュアンスです。ね,うっかりmaniacと直訳してしまっては大変なことになるでしょう?

 カーキチ,鉄道マニアのような熱狂的な愛好者という意味であれば,fanaticが良いでしょう。Fanaticは元々形容詞ですが,名詞として使えば熱狂的愛好者という意味になります。

 マニアを和英辞典で引いてみるとfiendという名詞も出てきます。悪魔じみた,~狂,半分病気の状態,中毒になっているという意味で,良いニュアンスはありません。Fiendishという形容詞もありますが,ビジネスの場ではまず目にすることはない単語です。

 日本語のマニアに一番近いと思われるのがtechie(テッキー)。語幹はtechnicalと同じtechです。「マニアックなテクを持ったITエンジニア」を訳すなら、IT (computer) guruでしょうか。またGeekはコンピュータだけではなく,メカ系全般に強い男性のこと。
 ビジネスの場ではexpertとかthe man with expertiseという表現が有効です。Expertiseはエキスパータイズではなく,エキスパティーズと発音しますので注意しましょう。

目からうろこが落ちる

 辞書で引いたら,Scales fell off from my eyesと直訳そのものが出ていました。これで欧米人に通じるのかどうかは疑問です。私はeye-openerをよく使っています。

・It was an eye-opener. (目からうろこの経験だった)

 英語は,英米人だけではなく,世界共通語として使われているので,このような比喩表現の翻訳には注意が必要ですね。

言うは易し,行なうは難し

 直訳すれば,it is easy to say but it is difficult to actually do.ということになるのでしょうが,かなりまどろっこしく,パンチ力に欠けた訳文ですね。正解は,Easier said than done. 比較級になっているところが上級テク。英語にはこのように,並列を活用する語法があり,とても効果的です。

 最近,このeasier said than doneをよく目にします。特にイノベーションの議論によく登場します。

環境にやさしい

 Environmentally friendlyがこれまでの定訳でしたが,最近はバリエーションが増えてきましたよ。

・Green:グリーンなという形容詞で環境にやさしいと言う意味になります。これまで名詞のグリーンは,ほとんどの場合が現金,儲け,カネを意味していました。米国の紙幣が全て緑色であるためです。一方,形容詞のグリーンは,エコの意味で使われています。けれども英語のecoは接頭語としては使えますが,単独では使えません。Ecologyと名詞にするか,ecological(形容詞)を使います。 

・Sustainable technology, To use sustaining source:持続可能なという意味のsustainable(動詞形はsustain)を使う場合もあります。

・Low impact development:悪い影響(インパクト)が少ない開発

・Ecological:英語で「エコである」と言えば環境にやさしいを意味します。

操作性

 これは操作性→使い勝手から連想してuser interface(UI)とかusabilityと訳すことができます。Look & Feelというとても英語っぽい表現もありますよ。

 点字文書や聴覚障害者用公衆電話(TDD: telecommunications device for deaf),キーボードが使えない人用のタッチスクリーンなどを総称した障害者を配慮した操作性をaccessibilityと言います。Accessibilityを英和辞典で引いてみると可触性とか近接性などの訳語が出てきますが,アクセスできる → 利用できる → ユーザー補助という発想の展開をすれば納得できるでしょう?

 日本では公衆電話のTDDすら見かけませんが,アメリカでは官公庁へ納品する製品や商品には,障害者でも健常者と同じように利用できるUIが要件となっています。このaccessibility,ぜひ覚えておいてください。きっといつか使う場面に遭遇することがありますよ。

<今週のクイズ>

 さて,今回からクイズを出題しようと思います。英語はどんどん使っていかなければ身につきませんから。

 今週のテーマは「後出しじゃんけん」。ウィキペディアによれば,じゃんけんはMade in Japan。しかも明治時代の発明ということです。0(グー:rock, stone),2(チョキ:scissors),5(パー:paper)の数拳を元にしているらしいですが,その生い立ちはさておいて,アメリカでもrock, scissors, paperと言えば通じるようになりました。

 工夫が必要なのは「後出し」の部分。言い得て妙という表現を考えてみて下さいね。たくさんの投稿をお待ちしています。