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 日立製作所で情報・通信グループ長&CEOを務める篠本学代表執行役・執行役副社長は07年8月末、「当社の情報通信の事業モデルは体質的によくなってきている」とし、07年度の営業利益率は6%超になりそうだとした。しかも、06年度に古川一夫社長が掲げた09年度に情報通信事業の営業利益率7%も達成可能の範疇に入ったという(ただし、赤字を続けるHDD装置事業は情報・通信グループとは別組織になっている)。

 HDDを含めた情報通信の07年度計画は、売上高が前年度比2%減の2兆4200億円、同21%増の営業利益730億円(営業利益率3.0%)である。これに対して、HDDを除いた情報・通信グループの07年度の売り上げ見込みは、06年度(1兆9041億円)の横ばいだが、営業利益は1000億円超になる。

 篠本氏は08年度から上昇に転じさせる計画を練る。具体的には、「IT単体の商品提供というメーカー主体から顧客主体へと切り替わっていく」ことに対応しての事業構造転換になる。サーバーの高性能化、ストレージの大容量化というIT単体でビジネスを展開するのではなく、顧客のこれからのビジネスにどう役立つかという起点で考えることだ。「アップルのiPodのように端末に、ソフトやネットワーク、コンテンツを組み合わせて、ユーザーに提供していくこと」(篠本氏)だ。単一商品では、中国などとの価格競争に巻き込まれ、ここで勝負をしている限り低収益から脱することが難しいからでもある。

 海外事業も強化する。国内の情報通信事業のボリュームがそれほど伸びないという読みがある。例えば、約3500億円のストレージソリューションの8割は海外からになるし、日立コンサルティング(約360億円)も8割は海外売り上げになるという。今後、サーバーとストレージ、ネットワーク機器、関連ソフトを一体化させた統合サービスプラットフォームBladeSymphonyや通信関連機器なども伸ばしていく、海外比率を今の30%弱から30%超に引き上げる。

 海外でのM&A(企業の合併・買収)も推進する。07年6月に米日立コンサルティングがマイクロソフト製ERP(統合基幹業務システム)を展開する米インタレーション2を買収しており、こうしたソリューションを展開する企業を傘下に入れていく計画。

 これらを支える共通プラットフォーム作りにも力を入れるのは当然だが、もう1つの成長のネタがコンサルティングになる。篠本氏は「当社の指静脈やセキュリティといった特長あるものを組み込んだソリューションをワールドワイドで展開する仕掛けつくる」と意気込む。そのきっかけが上流コンサルティングになる。コンサルティングから入り、日立の技術や製品を活かしたソリューションへと広げる作戦である。